川俣・旧福田小を工場に バドミントンの新素材ガット製造、世界へ

協定書を取り交わした藤原町長(左)と佐藤社長

 ラケットスポーツ用品の研究開発と製造を手がけ、福島県飯舘村に二つの工場を置くCRSスポーツ工業(埼玉県)は9月から、新たに川俣町の旧福田小を工場として活用し、バドミントンのガットの製造を本格的に始める。町と同社が26日、立地協定を結んだ。

 同社は2018年の設立で、全て輸出向けの製品を生産している。川俣工場では、同社が開発を進めている世界初の新素材「カーボンナノチューブ」が製品に使用される。新素材は製造時にガットのコーティング剤に分散させることで、耐久性や滑らかさが増す。同社によると、耐久性は通常の約1.6倍になるという。

 同社は7月から旧校舎を工場設備に改装する。従業員は約30人規模で、社員の異動で対応するほか、地元雇用も見込んでいる。福田小は22年3月末で閉校になり、旧校舎の利活用が課題だった。立地協定の期間は40年までの16年間とした。

 調印式が町役場で行われ、藤原一二町長と佐藤充社長が協定書を取り交わした。藤原町長は「新たな雇用の創出や交流人口の拡大などにつながる」と期待し、佐藤社長は「父の生まれ故郷である川俣町の発展に貢献したい」と述べた。

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