「いつ大規模火災が起きてもおかしくない」北九州市が重点区域に指定 昭和レトロな雰囲気残る「黄金市場」再開発へ

北九州市小倉北区にある黄金市場商店街。昭和レトロな雰囲気が残る市場だ。この市場で、再開発計画が進んでいることが明らかになった。「うれしいニュースです」と買い物客も再開発を歓迎する。

昔からの木造の建物がずらり

黄金市場商店街はJR小倉駅から南へ約2kmの場所にあり、近くにはメディアドーム(多目的ドーム)やプロ野球も開催される北九州市民球場などがある。

黄金市場のウェブサイトによると市場の始まりは昭和9年(1934年)頃で、昭和30年代には小倉地域の中でも買い物客の混雑で知られるほどの商店街になったという。

現在、生鮮食品や飲食店など約70店舗が商店連合会に加盟。買い物客の多くは、昔なじみの高齢者だが、最近は物価高による節約志向の高まりからか、若い世代も増えるなど客層に変化が出ている。

「安くておいしい。選んできている」「市場は野菜が安い。スーパーとは値段も新鮮さも違う」と買い物に訪れる若い世代にも好評だ。

再開発の対象となっているのは、商店街の西側にある黄金市場発祥の地で、広さは約2800平方メートル。建物は昔からの木造の建物がずらりと並んでいて、一部、壁が剝がれている所も見受けられる。

店舗のほとんどはシャッターが閉まっていて、中には立ち入り禁止を示すロープが張られている店舗もある。老朽化が顕著な黄金市場エリアは、北九州市から“いつ火災がおきてもおかしくない”重点区域に指定されている。

古い建物が残る商店街を巡っては、小倉北区の旦過市場や鳥町食堂街で相次いで火災が発生。甚大な被害を出している。

黄金市場の商店街関係者によると半世紀以上前に建てられた木造建物が密集する黄金市場は、老朽化対策と防火対策の両面から改修や建て替えを望む声が上がっていたという。

再開発を手掛ける北九州市の不動産会社「レトロ」の上甲幸寿社長は、「黄金市場は旦過市場に負けないくらいの歴史がある市場。防火面も強化して活気ある街に再生させたい」としている。

昭和の風情を色濃く残す黄金市場の再開発は、5年以内の完成を目指しているという。

(テレビ西日本)

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