春作業軽減へ初冬直まき 水稲栽培で実証研究 JAグリーンサービス花巻

花巻市鍋倉の実証圃で開かれた水稲初冬直まき栽培の生産者向け講習会

 農業従事者の高齢化や農地集約が進む中、JAグリーンサービス花巻は水稲の初冬直(じか)まき栽培の実証研究に取り組んでいる。初冬の農閑期に圃場(ほじょう)に直接播種(はしゅ)することで春の作業負担を分散させ、農地の規模拡大への対応も見込む。収量などに課題もあるが、稲作の新たな選択肢として栽培法の確立を目指している。

 初冬直まき栽培は岩手大が開発した技術。全国8道県9地点の大学・公的研究機関と連携して社会実装の試験を進めており、播種期や種もみのコーティング、耕起・播種法などを研究することで出芽率の向上に成果を挙げている。

 JAいわて花巻管内では、同大の指導の下、花巻市鍋倉地内の広さ14アールの実証圃で昨季からひとめぼれを栽培。圃場を区分けし、昨季は種まき後に踏み固める鎮圧作業の有無や、種もみの生産年の違いの影響を比較検討した。今季は稲刈り後の昨年11月に小麦兼用ロータリーシーダーを使ってトラクターで種をまき、冬を越えて5月1日に出芽を確認した。施肥管理の実験データを取りながら9月の収穫、出荷を予定している。

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