在宅ケアハラ相談窓口 7月1日設置 茨城県、介護環境改善図る

茨城県庁=水戸市笠原町

在宅介護・看護などの従事者が受けた不快や苦痛について対応する「いばらき在宅ケアハラスメント相談窓口」が、茨城県の新規事業で7月1日から開設される。県内外で問題となっている〝在宅ケアハラ〟と向き合い、離職につながらないよう環境改善を図る。県は「気兼ねなく利用してほしい」と呼びかけている。

同窓口は、在宅ケアハラを受けた従事者の悩みや不安の解消に努める。介護や看護などの業務経験者が、電話かメールで対応。状況に応じ、現場に同行して支援することも視野に入れる。事業所の管理者からの相談にも応じる。

相談内容は市町村に情報提供する方針。高齢者支援について話し合う「地域ケア会議」などの場で検討し、対策につなげる。

県社会福祉協議会に委託して開設。時間は平日の午前10時~午後4時まで。利用無料。

県は昨年6月、在宅ケアに関連する事業者を対象に調査を実施。協力した84事業者のうち、半数超が「利用者からハラスメントを受けた」と回答した。具体的には蹴る、つばを吐くなど身体的被害に加え、精神的被害や性的被害もあった。

在宅ケアでは、県内外で人材不足が課題となっている。県は在宅ケアハラが「離職につながるケースもある」とみており、相談対応などで離職防止を図る。

県は今月、ガイドラインを策定し、指針で「ハラスメント対策は事業所の責務」と明記。事業所ごとの基本方針やマニュアルを作成し、職場での共有を働きかける。職場内の対応窓口設置など、従事者が1人で抱え込まない環境づくりを推進する。県長寿福祉課の担当者は「従事者が安心して働ける体制を築いていきたい」と話している。

同窓口(電)029(303)7600。メールはhomecare@ibaraki-welfare.or.jp

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