株式投資で“本当に儲けたい”なら「100万円単位」の運用が必要な理由【投資の基本】

(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資は少額からスタートするのが基本です。しかし、「株式投資で本当に儲けたい」という場合、ずっと少額でいいのでしょうか。その問いに対して、「100万円単位の運用が必要」と話すのは株式会社ソーシャルインベストメント川合一啓氏です。本記事では、10万円単位、100万円単位、1,000万円単位の運用をする場合で得られる利益を比較しながら、その理由をご説明していきましょう。

運用金額ごとに、年10%の利益が出た場合を考えてみる

まず、50万円、500万円、5000万円をそれぞれ運用し、そのすべてで年10%の利益が出た場合を考えてみましょう。

それぞれの金額は、「10万円単位の運用をした場合」として50万円、「100万円単位の運用をした場合」として500万円、「1,000万円単位の運用をした場合」として5,000万円、と仮定しています。

また、「年に10%の利益」というのは、長期で続けるのはそう簡単なことではないけれども、不可能ではないし、単年ならば十分にチャンスがある値として、仮定しました。

計算結果は次の通りで、そう難しくはありません。なお、これはあくまでシミュレーションですので、税金の支払いは考慮しないものとします。

・50万円を年10%で運用→5万円の利益

・500万円を年10%で運用→50万円の利益

・5,000万円を年10%で運用→500万円の利益

年に数万円の利益ならば、本業や副業での収入アップや倹約の方が確実で早い

以上のように、50万円を年10%で運用すると、得られる利益は5万円です。そしてそうならば、お金を儲けるために株式投資という手段を用いるメリットは、あまりないといえるでしょう。

5万円を儲ける方法は他にたくさんありますし、そう難しくはないと思われます。本業を頑張り、給料や賞与を増やしたり、副業をしたりしてもよいでしょう。また、倹約して年に5万円を浮かせられれば、それは金銭的には5万円稼ぐのと同じことになります。外食や旅行、衣類などの出費を見直せば、5万円を浮かせるのはそう難しくないはずです。

そしてその5万円を儲けるには、株式投資をするよりも、本業や副業での収入アップを目指すことや倹約の方が、確実で早いでしょう。一方の株式投資は、10%の利益を得られるかどうかが不確実で、下手をするとマイナスになる可能性もあるので、そうしたリスクを負って5万円を稼ぐメリットはあまりないと思えるからです。

ただし、お金を儲けることを別にして、楽しみや勉強のために株式投資をしたいという方や、いずれ大きな資金を運用するときのための練習をしたいという方には、10万円単位の運用も十分に有意義だといえるでしょう。

年に数十万円の利益ならば副業、年に数百万円の利益なら本業になりえる

さて、50万円を年10%で運用すると得られる利益は5万円ですが、500万円を年10%で運用すると得られる利益は50万円、5,000万円を年10%で運用すると得られる利益は500万円となります。

利益がこのように数十万円、数百万円になってきてはじめて、「本当に儲かっている」といえるのではないでしょうか。

年間の利益が50万円ということは、月に直すと約4万1,667円となります。これはもう立派な副業といえるでしょう。先ほど述べた「年に5万円」稼ぐ副業の場合は、ほんの少し働けば実現可能でしょう。しかし、「年に50万円」稼ぐ副業の場合は、パートタイムでしっかり働くのと同じぐらいの収入になるわけです。

そして年間の利益が500万円ならば、月に直すと約41万6,667円となります。これはもう普通のフルタイム労働者と何ら変わらない収入です。これよりも給料が少ない人も、まったくめずらしくないでしょう。大きな金額を運用して大きく儲けることで、株式投資は本業にもなりえるのです。

無理をして100万円単位の運用はしない方がよい

ただし、無理をしてまで100万円単位の運用はしない方がよいとも、付け加えておきます。たしかに、大きな金額を運用するほど儲けも大きくなるのが株式投資です。しかし、株式市場は暴落することもありますし、生活のために一定の現金を備えておくことも必要だからです。

「早く」「多く」とあせってはいけません。本当に儲けたいなら100万円単位の運用が必要なのは事実です。しかし、無理をして100万円単位の運用をするよりも、余裕をもって100万円単位の運用ができる状況になるまで堅実にお金を貯めていくのが賢明でしょう。

川合 一啓

株式会社ソーシャルインベストメント

取締役CTO

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