夏の主役たち⑩卓球男子 九州王者は通過点、日本一に向けて上々の明豊 【大分県】

九州王者として全国高校総体に臨む卓球男子団体の明豊。九州高校体育大会(九州大会)では団体戦だけでなく、個人シングルスで嶋田碧虎(3年)が優勝し、植木大陽(同)が3位、個人ダブルスでは利光芳輝(同)が嶋田とペアを組み3位となった。仕上がりの良さを感じさせる結果が出たことで、チームの雰囲気はいい。

チームの核を担うのが前出の3年生3人。エースの植木は、回転量の多いサーブと強打で押すパワー卓球を信条とする。「強気な攻めの卓球ができた。(3月の)全国選抜大会の準々決勝で負けた希望が丘(福岡県)に勝って、九州王者になれたことは自信になる」と話す。全国高校総体でも相手エースと対戦することが多くなりそうだが、一歩も引く気はない。「チームに勢いを与える勝ち方をしたい」と鼻息は荒い。

エースでありキャプテンでもある植木大陽

成長著しい嶋田は、粘り強いラリーを持ち味とする。これまで守備の意識が強かったが、九州大会では相手の返球が甘くなれば、角度をつけた返球で確実に仕留める術を覚え、戦術の幅が広がった。

植木、嶋田の2枚看板に肉薄するのが利光。オーソドックスなオールラウンダーは、ダブルスではペアの長所を引き出し、強打で流れを引き込む。藤本賢司監督は「植木、嶋田でポイントを取るのがこのチームの狙いだが、利光が成長すれば楽な展開に持ち込むことができる」と期待する。

昨年の全国高校総体の団体は準優勝。日本一にあと一歩及ばなかった。今年の目標は、もちろん日本一。藤本監督は「昨年は絶対的なエースがいたが、今年は試合ごとに順番やダブルスの組み合わせを変えてベンチワークとチームワークで勝負したい。8強から上は力が拮抗(きっこう)しているのでチャンスはある」と分析する。嶋田は「考え過ぎず、自信を持ってプレーしたい。受け身にならず真っ向勝負をして勝つ」と大一番に向けて気持ちを高める。

チーム一丸で日本一を目指す

(柚野真也)

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