中国工業部門企業利益、5月は前年比+0.7%に大幅減速 内需低迷

[北京 27日 ロイター] - 中国国家統計局が27日発表した5月の工業部門企業利益は前年同月比0.7%増と、伸び率は4月の4%から大幅に減速した。内需の低迷が背景。

1─5月も前年同期比3.4%増と、1─4月の4.3%増から減速した。

同局の于衛寧氏は、伸び率縮小は「投資収益の伸びの落ち込みなど短期的要因」によるものと指摘しつつ、「有効な内需はなお不十分」と述べた。

中国光大銀行のマクロ経済研究員、周茂華氏は「供給との比較で市場の需要回復が低迷していることが増益率鈍化の主因だ。工業品価格は全体として下落が続いているが、生産・営業コストはわずかに増えている」と分析。一部の企業間の競争激化が値下げにつながり、工業部門全体の増益率に悪影響を及ぼしていると述べた。

国家発展改革委員会は24日、内需喚起策の一環で、地方政府に対し乗用車の購入制限を緩和するよう奨励した。

1─5月を見ると、国有企業が2.4%の減益となる一方、外資系企業は12.6%の増益、民間企業は7.6%の増益だった。

工業部門企業利益統計は、主要事業の年間売上高が2000万元(276万ドル)以上の企業を対象としている。

© ロイター