過去に国外逃亡の事例も 基地内で「口裏合わせ」、ずさんな監視体制 米兵少女暴行事件 沖縄

米軍嘉手納基地(資料写真)

 米兵少女暴行事件を巡って、被告の米兵は保釈され現在、嘉手納基地内で禁足状態に置かれている。

 米軍側から説明を受けた県によると、公判期間中は基地外へ出ることができないよう拘束されているという。一方、米兵がどのような状態で基地内に留め置かれているか明らかにされていない。

 事件の容疑者や被告となった米兵が基地内で禁足状態となる事例はたびたび確認されているが、過去に米軍側のずさんな監視体制により、米兵の日本国外への逃走を許した事例や容疑者同士の口裏合わせなどが行われたことも確認されている。

 1993年に嘉手納基地内で起きた米兵による女性暴行事件では、容疑者の米兵に禁足処分が科され、憲兵監視の下、基地外には出られない措置が取られていたが、米兵は書類を偽造するなどして那覇空港から米本国に逃走した。

 さらに、2003年に宜野湾市で発生した強盗致傷事件では、米軍が3人の米海兵隊員の身柄を確保し、基地内で禁足状態に置いたが、互いを隔離する形の拘束ではなく、3人は会合も開いていた。結局、うち1人は不起訴となり罪を問われず、検察が裁判で「容疑者らは基地内で会い、口裏合わせをした」と批判した。

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