アニメ「じいさんばあさん若返る」 青森県警とコラボ、詐欺防止動画に 新挑限さん(平川市出身)原作

テレビアニメ「じいさんばあさん若返る」と県警がコラボした動画の一場面(KADOKAWA提供)

 夕方6時ごろの電話はだいたい怪しい-。出版大手KADOKAWAは動画投稿サイト「ユーチューブ」のアニメ関連チャンネルで、青森県平川市出身の漫画家・新挑限(あらいどかぎり)さん原作のテレビアニメ「じいさんばあさん若返る」と県警とのコラボ動画を公開している。アニメのメインキャラクター「若返りばあさん」が、おれおれ詐欺の電話を撃退する様子を描いており、特殊詐欺に注意を促す内容となっている。

 「じいさん-」は、青森県でリンゴ農家を営む老夫婦が金色のリンゴを食べたことをきっかけに突然若返る物語。累計150万部(電子を含む)を突破した大人気WEB発コミックスで、21日にはコミックス完結第8巻が発売となった。テレビアニメは4月から青森放送などで放送開始。今月17日に最終回を迎えた。

 コラボ動画は、特殊詐欺への注意喚起のためにアニメ本編を活用できないか-とKADOKAWA側が県警に打診し、共同で制作。本編の一部を切り取った1分半ほどの長さで、息子を名乗る電話の相手を、若返りばあさんが津軽弁で冷静に諭すストーリーになっている。動画の最後には県警の特殊詐欺被害防止キャラクター「サギかもくん」も“ゲスト出演”している。

 5月30日に動画を公開し、再生回数は今月26日現在で約8万回。コメント欄には「1番分かりやすい対策法」「参考になります」などと視聴者から反響が寄せられている。

 同社アニメ宣伝課の担当者は、東奥日報の取材に「特殊詐欺への一番の対抗策は、手口を広く周知させること。アニメにしかできない切り口でもあるので、さまざまなアプローチで被害の減少につなげられれば幸いです」とコメントした。

 県警生活安全企画課の櫻田道夫次長は「特殊詐欺は近年、若い人も被害者になり得るので、アニメを通じて幅広い年齢層に訴えていければ」と語った。

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