国際刑事裁判所、アルカイダ関連の指導者に有罪判決 西アフリカ・マリの戦争犯罪

判決が下される前のハッサン被告=国際刑事裁判所/Peter Dejong/ANP/AFP/Getty Images

(CNN) 国際刑事裁判所(ICC)は26日、西アフリカ・マリの北部トンブクトゥで起きた人道に対する罪と戦争犯罪で国際テロ組織アルカイダに関連する指導者ハッサン・アグ・アブドゥル・アジズ・アグ・モハメド・アグ・マフムード被告に有罪判決を下した。

ICCの声明によると、アルカイダ指導者らがイスラム警察の幹部だったハッサン被告を採用した。

イスラム警察は2012年4月から13年5月にかけてトンブクトゥで犯罪を実行するためにアルカイダがイスラム過激派アンサル・ディーンと構築した体制の中で「極めて重要な役割」を果たしたという。

ICCは同被告に対し、拷問や個人の尊厳を侵害する犯罪を直接実行、寄与、ほう助したとされる容疑の大部分で有罪判決を下したことを確認した。

レイプ、性奴隷制、強制結婚、保護対象物への攻撃などに関する罪については、同氏の責任を示す証拠が不十分だったとして無罪を言い渡した。

ICCによると2196人の被害者が裁判手続きに参加。195回の審理で7896件の文書が記録され、1万3275点の証拠が提出された。

12年にマリでクーデターが発生した後、イスラム過激派は国の政情不安に乗じた。その一部はアルカイダと関係があったとされる。CNNは以前、イスラム過激派が北部に住むトゥアレグ族を倒し、トンブクトゥなどの都市を制圧したと報じた。

過激派は北部の大部分を支配し、独自の法律を制定し始めた。音楽、喫煙、飲酒、テレビでのスポーツ観戦を禁止し、歴史的な墓や神社を破壊した。

国連は当時、公開処刑、手足の切断、むち打ちなどの非人道的な刑罰もよく行われていたと述べた。

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