芸術文化観光専門職大学 全国から集まる学生が切磋琢磨 「学びたいことに“全集中”の毎日」

「新入生歓迎イベント」の様子

演劇と観光が学べる四年制公立大学「芸術文化観光専門職大学(CAT)」(兵庫・豊岡市)の学長も務める、劇作家・演出家の平田オリザさん。自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、同大学の新入生が2週にわたって出演。志望理由や、学校生活をいきいきと語った。

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20日の放送に出演した中島紳太朗さんは、和歌山県出身。「将来は“防災”を身近に感じてもらえる『防災ツーリズム』を構築したい」との思いから、同大学への進学を決めた。

「防災ツーリズム」とは、防災意識の向上と地域の活性化を目的とし、震災遺構などの関連資源訪問と周辺の観光資源を組み合わせた観光スタイルで、兵庫県においても試験的運用が実施されている。

中島さんは、「芸術文化やアニメ聖地などを盛り込むことで、防災に興味がない人にも親しんでもらえる防災ツーリズムを設計したい」と意気込む。

2025年は、北但馬地震から100年、阪神・淡路大震災から30年という節目の年でもあり、平田さんは「地震のない国から来たインバウンドに恐怖を与えず、どう見せていくかが重要」と課題を述べた。

大学生活は順調なすべり出し。寮生活は「毎日が修学旅行のよう」と顔をほころばせる。

「4人部屋で、台湾からの留学生が1人いるのですが、作ってもらったチャーハンがおいしくて! それをきっかけに、持ち回りで男メシを作るようになり、僕もカレーと鍋を作りました」と日常生活を披露。さらに、「僕たちが台湾に実習に行くときには、彼が受け入れ係になるそうです。台湾で会うのも楽しみですね」と海外実習についても期待を寄せた。

27日の放送に出演した金子凛さんは、兵庫県神戸市出身。小・中学生時代はミュージカル舞台に参加したが、進学した高校に演劇部がなかったため、少林寺拳法部に入部した。大学進学は、同大学が紹介されていた番組を見た祖母からすすめられたのがきっかけだという。

入学までの経緯について、「3年生の7月に、あわててオープンキャンパスに参加しました。生徒と教員の関係性がいきいきしていて志望度が増しました」と明かし、「いまは、学びたいことが多すぎて授業に“全集中”の毎日です。なかでも、藤野副学長が担当する授業の『ヨーロッパ文化政策』が興味深くて、『ドイツにも留学したいな』という思いが出てきました」と笑顔で語った。

金子さんによると、ここまでの学校生活で特に印象に残っているのは「新入生歓迎会」だという。

「入学式当日に舞台発表もあったのですが、その日を皮切りに3週間くらい演劇や演奏があって。毎日が文化祭でした(笑)」と振り返る金子さんに、平田さんは「本人たちがやりたいんだよ(笑)! 『学業が大変だ』と言いながら、2月くらいから準備しているんだから」と困惑する場面も。

それぞれの学生の話を聞いた平田さんは、このようにエールを送った。

「兵庫県では、県内在住者に対して県立大学の授業料・入学金が無償化になりましたから、海外留学も視野に入れやすくなります。交換留学もより活発になりますし、日本全国から学生が集まっているので、豊岡に居ながらにして全国の人と友だちになれるのも本学の魅力です。体に気をつけながら存分に学生生活を楽しんでほしい」(平田さん)

※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2024年6月20、27日放送回より

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