米テキサス州で死刑執行、「もう危険人物ではない」の訴え通らず

ラミロ・ゴンザレス死刑囚/AP

(CNN) 米テキサス州は26日、2001年の殺人事件で死刑を言い渡されたラミロ・ゴンザレス死刑囚(41)に対し、薬物注入による死刑を執行した。自分は危険人物ではなくなったと主張していた同死刑囚の訴えは、米最高裁で退けられていた。

裁判記録によると、ゴンザレス死刑囚は当時18歳だった女性に対する性的暴行と殺人の罪で06年に死刑判決を受けた。

州当局によると、ゴンザレス死刑囚は午後6時50分、死亡が確認された。

当局はこの日の死刑執行を前に、ゴンザレス死刑囚の最後の談話を公開した。この中で同死刑囚は被害者の遺族に繰り返し謝罪し、「私は残りの人生を、あなた方のために全力で罪を償い、補償し、責任を取ろうと生きてきました」と訴えていた。

テキサス州では死刑を言い渡すに当たり、被告が今後も暴力の犯罪行為を犯し続ける可能性があると認定することを陪審員に義務付けている。州法に基づき、この認定がなければ死刑を言い渡すことはできない。

ゴンザレス死刑囚側は最高裁への上訴の中で、過去18年の記録に基づき、キリスト教の信仰心や獄中での奉仕活動、臓器提供の意思表示などを挙げてゴンザレス死刑囚は危険人物ではないと主張していたが、最高裁は訴えを退けた。

24日にはテキサス州恩赦仮釈放委員会が、7対0の全会一致で恩赦勧告を否決していた。

死刑情報センターによると、米国での死刑執行は今年に入って8人目。27日にはオクラホマ州でさらに1人の死刑執行が予定されている。

© 朝日インタラクティブ株式会社