ONE PACT&TOZ個別インタビュー 『ボイプラ』参加者が振り返る、過酷なオーディション経験で培われたもの

2023年2月から4月にかけて開催された韓国のサバイバルオーディション番組『BOYS PLANET』。その参加メンバーで構成される5人組グループ ONE PACTと4人組グループ TOZが、それぞれ番組終了後にデビューした。直近では、TOZが5月7日に1stミニアルバム『TO my new friends』、ONE PACTが6月7日に1stシングル『PARADOXX』をそれぞれリリースするなど、精力的に活動中だ。

リアルサウンドでは、ONE PACTとTOZの2組にそれぞれインタビュー。『BOYS PLANET』の思い出を振り返りながら、そこで得た経験、グループの今について話を聞いた。(編集部)【インタビュー最後にプレゼントあり】

■ONE PACTインタビュー

ーーリアルサウンド初登場となりますので、グループの紹介をお願いします。

テグ:今日はメンバーのジェイチャンくんが欠席なのですが、ONE PACTは昨年11月に彗星のように現れた5人組グループです。グループ名には、「ひとつに集まって大きなインパクトを作る」という意味が込められています。6月7日に『PARADOXX』というシングルで初のカムバックを迎えたばかりです。

ーーでは続けて、各人の自己紹介を。

ジョンウ:リーダーのジョンウです。ステージの上では自信たっぷりに強烈な姿をお見せする役割を担い、ステージの下ではリーダーとしてメンバーたちに気を配りながら、導く役割を担っています。

テグ:テグと申します。ステージではボーカルとラップを担当しています。ステージの下では作詞、作曲、プロデュースを担当して、メンバーがそれぞれの個性を活かしながら、ステージで輝けるように尽くしています。

ソンミン:ソンミンです。僕はステージの上で、 セクシーさ、可愛らしさ、カッコよさ……本当にさまざまな姿を見せる多彩なアーティストです。そういうところに注目していただけると嬉しいです。

イェダム:ビタミンのような存在、グループのマンネ(末っ子)、イェダムです。ラップ、歌、ダンス、なんでもこなすオールラウンダーです。

ーーK-POPグループのマンネは無条件に可愛がられる存在ですが、ONE PACTのマンネの特権は何でしょう。

イェダム:たくさんあると思います。失敗したときも、兄さんたちが失敗だと決めつけずにサポートしてくれます。そうやって兄さんたちに愛されるのが、マンネの特権です!

ーーお兄さんたちは、そんなマンネが羨ましくないですか?

ジョンウ:羨ましいけれど、マンネはヤダな(笑)。僕はほかのグループでマンネだった経験があって。マンネにはマンネなりの大変さもあったので。

ーーそうなんですね。皆さんは、『BOYS PLANET』、『高等ラッパー4』という人気サバイバルオーディション番組出身です。デビューという夢が叶って半年超が過ぎた今の気持ちは?

テグ:なんといってもこの半年で、メンバーとのハーモニーがどんどん良くなってきているのが嬉しいですね。

イェダム:うん。結束力は確実に高まっていますよね。このままやっていけば、夢は絶対に叶うんじゃないかなと思います。

ソンミン:辛い時もあったけれど、ステージに上がると達成感があるんです。そういう活動をしてこられたことが嬉しいです。

ジョンウ:僕にとって、デビューはまだ第一段階。究極の目的に行くためのステップなので、そんなに大きなものと捉えていないんです。今、究極の目標として掲げているのは、東京ドームです!

一同:お~!(パチパチ)

ーーこのメンバーは、『BOYS PLANET』終了後にリーダーのジョンウさんが声をかけて集めたそうですが、なぜ彼らを選んだのでしょう。

ジョンウ:歌が上手い、ダンスが上手いなど、各人の長所がとても明確で、この5人なら集まったときに調和すると思ったんです。そして何より大事だったのは、人間的に合うということですね。仲間として友だちとして、信頼しながらやっていける人たちを選びました。

ーーその見立ては間違いなかったですね。

ジョンウ:う~ん、どうでしょう……。

ソンミン:ふ~ん、そうなんだ。わかりました、兄さんの本心。

ジョンウ:嘘だよ(笑)。間違いなかったです。

ーー中心となってONE PACTの楽曲を生み出しているテグさんは、ONE PACTの楽曲の方向性をどう捉えているのでしょう。

テグ:ONE PACTの音楽性に正解はないと思っています。だからさまざまなジャンルに挑戦していきたいです。

ーー6月7日にシングル『PARADOXX』がリリースされたばかりですが、この作品のコンセプトは?

テグ:曲を出すたびに、前とカブらないコンセプトを心がけています。だから聴いてくださった方は、デビューミニアルバム『Moment』とはまた違った印象を受けたと思います。『Moment』の「멋진 거(Hot Stuff)」という曲にはカッコよさがあった。今回の『PARADOXX』には、「멋진 거(Hot Stuff)」のようなカッコよさもあるけれど、もっと僕たちの伝えたいメッセージが色濃く反映できた気がしています。

ーーそういう方向性は、みんなで話し合って?

テグ:はい。みんなで相談しながらやることが大事だと思っているので。特に今回は、デビューから半年もの時間が空いてしまったから、より話し合いましたね。幸いにもメンバーも会社も、僕のことを信用してくれているので、僕の意見が通ることが多いのですが、メンバーと話し合っているときにひらめくアイデアも多いんですよ。これからも、メンバーと相談して決めていくと思います。

ONE PACT 원팩트 '꺼져' MV

ーー皆さんは、デビューサバイバル番組の出身ですが、振り返ってみて、苦労したことや楽しかったことはどんなことでしたか。

イェダム:僕は精神的にも肉体的にもきついことが多かったなと……。それでも、簡単には経験できないことができたことは幸せでした。

ジョンウ:辛かったのは、自分の思い通りに練習できないことでしたね。楽しかったことは、本当に小さなことなんですけれど……休憩時間に水を飲みながらふざけたり、練習しながらみんなでひとつのパフォーマンスを作り上げていくこと。仲間と一緒の思い出は楽しいことばかりです。

ソンミン:僕も小さいことが幸せでした。宿舎で一緒にお菓子を食べたり、休み時間に散歩したり。辛かったのは、一緒に練習した仲間や自分が脱落したときでした。

テグ:僕が出演した『高等ラッパー4』は、待機時間が一番きつかった。でも、同世代の同じラップをやっている人たちとバトルするのは楽しかったし、達成感も大きかったです。

ーー番組をやっていたときと、印象が変わった人はいますか?

ジョンウ:番組でもずっと合宿生活をして一緒に過ごしていたので、特に印象が変わったというのはないかな?

ソンミン:僕は、ジョンウ兄さんの印象が変わりました。サバイバル番組中は、ちょっと怖い人だと思っていたのですが、メンバーとして一緒に過ごしたら、すごく面倒見がいいし温かな人でした。

イェダム:僕は、そういうソンミン兄さんです。サバイバル番組のときは、「先輩!」って感じでカッコよくて、頼りがいがある兄さんだと思っていたのに、同じグループになったら、逆に面倒をみてあげたい人だった(笑)。

ソンミン:(笑)。光栄です。

テグ:僕はイェダムに対して同じように思いました。『LOUD』(J.Y. ParkとPSYが主催したサバイバルオーディション番組)にも出演していて、ダンスも歌も上手いと聞いていたのですが、実際に会って一緒にやってみたら、すごく純粋で。赤ちゃん羊みたいな可愛らしさで、思っていたのとぜんぜん違っていました(笑)。だからついつい可愛がっちゃうのかな。

ーー今日は同じ『BOYS PLANET』に出演していたTOZにもインタビューをしているのですが、ONE PACTから見たTOZは、どんなグループでしょう。

ソンミン:僕たちとは真逆のイメージ。マンネはまだ16歳だし、可愛いですよね。

テグ:僕たちだって可愛いものをやろうと思えばできるけれど、彼らの年齢だからできる自然の可愛らしさとは別ものになっちゃうから(笑)。

ソンミン:そうそう。TOZも年齢を重ねていけば、カッコいい方にシフトしていくんじゃない?

ジョンウ:TOZは、僕たちにとって可愛い弟です。上手だし、あんなに一生懸命やっているのを見るとすごいなと思うし、応援したくなります。

ソンミン:同じ目標を持って頑張ってきた仲間だから、両グループ共にデビューできたのは嬉しいです。この先どうなっていくのか楽しみです!

ーーONE PACTは精力的に日本活動を行っていますが、印象に残っている日本活動は?

ジョンウ:『2024 ONE PACT ZEPP TOUR IN JAPAN : HANA』ですね。めっちゃ楽しかった。

テグ:全員ZEPP TOURじゃない?

イェダム:そう思います! メンバーのソロステージも、すごくカッコよかったな~。

ジョンウ:そうだね。僕たちにとって初めてのツアーだったので、4都市8公演を終えたとき、すごく成長を感じました。デビューのころは100人くらいの前でパフォーマンスしていた僕たちが、日本各地であんなにも大勢の前でライブができるようになったのは、すごく感慨深くて……。なんだか自分の目の前の光景がテレビみたいに思えて、現実には思えなかったです。

ソンミン:記念碑的なツアーで、すごくいい経験で自信もつきました。次はもっとカッコよくできると思います。オフステージも、新幹線で移動したり、みんなでお弁当を食べたり、修学旅行みたいで楽しかった。思い出深いツアーです。

ーー素敵なツアーでしたね。韓国では、初のカムバックも果たしました。今後、ONE PACTはどんなグループを目指すのでしょう。

ソンミン:いつも話していることですが、メンバーそれぞれの魅力が違うので、いろいろな宝石が集まってより美しく輝くように、僕たちも集まることで最強のシナジーを発するカッコいいグループになっていければと思います。そうだよね?

一同:はい!

テグ:ONE PACTは、これからもっともっと有名になる予定です。今のうちに会いに来て下されば、皆さんのことを全員覚えられます。宝くじを買う感覚で、一度見に来てください!

■TOZ インタビュー

ーー初登場となりますので、グループの紹介をお願いします。

アントニー:僕たちは見ての通り、可愛くて明るくて、エネルギーが溢れている4人組グループです。グループ名のTOZは「To Our Zone」の略で、「僕たちの世界へようこそ」という意味。昨年9月に1stミニアルバム『FLARE』で日本デビューし、今年5月に1st 韓国ミニアルバム『TO my new friends』で韓国デビューしました。

ーーアピールポイントを交えた自己紹介をお願いします。

ハルト:天真爛漫のハルトです。ファンの皆さんには「ステージの上で本気で楽しんでいる姿が見ていて気持ちいい」と言っていただけるので、そこが僕の魅力だと思います。でも、ステージを降りるとちょっと抜けている一面もありまして……(笑)。そういうところも愛らしいみたいです。

アントニー:歌うときのハイトーンと、しゃべるときのロートーンの声のギャップが魅力です。あとは、表情管理! パフォーマンス中の表情と笑顔もアピールしたいポイントです。

ユウト:TOZの癒しと縁の下の力持ちを担当しているユウトです。人見知りで静かな性格なのですが、ファンの方には「ステージに上がるとカリスマ性を発揮する」と言われています。

タクト:TOZのマンネ(末っ子)、タクトです。ファンの皆さんに可愛いと言われていますが、僕自身も可愛いと自負しています(笑)。僕の可愛さを全力で届けるので、皆さんぜひぜひ感じてください。

TOZ (티오지) 'NU SHOES' Official MV

ーー全員が、人気サバイバルオーディション番組『BOYS PLANET』出身です。デビューという夢が叶った今の気持ちは?

アントニー:『BOYS PLANET』で脱落した当時は、今の姿はまったく想像できませんでした。だから、デビューしたときは、不思議な気持ちでいっぱいで……。実感が湧くまで時間がかかったのが印象に残っています。

ーーいつ実感できたのでしょう。

アントニー:自分たちの曲ができて、それをファンを前にステージで歌ったとき。豊洲PITで行ったデビューショーケース『TOZ Japan Debut Showcase<FLARE>』のときですね。

ーー『BOYS PLANET』を振り返ってみて、苦労したことや楽しかったことはどんなことでしたか?

アントニー:練習ですごく頑張ったのに、初めてステージに上がったとき、信じられないくらい緊張してる自分がいて……。自分が緊張するタイプだと気付けたのはよかったけれど、やっぱりそのときのパフォーマンスには満足できなかった。番組として映像が残っているので、今でもそれを何度も見返して、自分の糧にしています。

ユウト:僕は、けっこうしんどかったなぁ(笑)。サバイバル番組なので、順位を付けられるのが一番キツかった。それに、僕は『BOYS PLANET』参加で初めて家族と離れて、初めて一人で飛行機に乗って海外に行ったんです。韓国語もわからないし、不安でいっぱいでした。

ハルト:僕は、楽しい思い出しかないんですよ。みんな同じ夢を追いかけて集まった人たちだったから、宿舎生活が本当に楽しくて。あの時は寝不足になるくらい、朝5時までみんなでトランプしたり、歌ったりしていた(笑)。パフォーマンスするのも楽しくて、当時のチッケム(個人カム)を見ると、めっちゃ笑顔の僕がいる。「これぞ青春」みたいな経験がなかったので、今でも戻りたい。『BOYS PLANET』は、僕の青春です!

タクト:僕も楽しかったです。みんな年上で、すごい優しくて。それまで韓国に友だちがいなかったのに、友だちもできたので良いことばかりでしたよ。

ーー今日は同じ『BOYS PLANET』に出演していたONE PACTにもインタビューをしているのですが、TOZから見たONE PACTは、どんなグループでしょう。

アントニー:僕たちとは、真逆のコンセプトだし、雰囲気も真逆ですよね(笑)。何よりステージが、本当にカッコいい。いつも僕たちのことを応援してくれるカッコいいお兄さんたちです。

ハルト:そうそう、カッコいいお兄さん。僕とアントニーとユウトは同い年で、グループに年上がいないので、久々にONE PACTに会って、弟として可愛がってもらえたのが嬉しくて(笑)。ONE PACTは全員お兄さんだから、心置きなく弟気分が味わえました。

ーーそういう意味では、タクトさんは『BOYS PLANET』でもTOZでもマンネで、いいですね。

タクト:うん、いつでも可愛がってもらえます(笑)。

アントニー:そうだ、いつでも弟気分を味わえる。

ハルト:僕なんて、たまーに、だよ。だから今日、めっちゃ嬉しい!

ーー同じサバイバル番組出身というのは、刺激になりますよね。

アントニー:もちろんです。ONE PACTはすごくステージに対するプロ意識が高いんですよ。音楽番組を見ていても、それをすごく感じます。デビューの時から完璧で、「僕たちも負けていられない!」と、励みになります。

ーー今まで活動してきた中で、1番印象に残っていることは何ですか。

ユウト:僕はやっぱりデビューショーケース『TOZ Japan Debut Showcase<FLARE>』ですね。ずっとデビューに向けて練習だけをしてきたので、いっぱいの客席を見て、自分たちを応援してくれてる人がこんなにたくさんいると実感できた瞬間だったので、すごく感動しました。

アントニー:メンバーみんな泣いていたのに、この子だけ泣いてないんですよ(笑)。

ユウト:そう(笑)。感想を言うときに3人が泣いちゃったから、僕まで泣いたらダメだと思って。

タクト:僕は、今回の韓国でのデビュー活動。「NU SHOES」で音楽番組に出演したことです。韓国の音楽番組に出演するのは、夢のひとつだったから。毎回来てくれるファンの方もいて、すごく楽しい活動ができました。

アントニー:僕も、音楽番組です。ステージ映えするのはどうしたらいいかを先輩方のステージを見て学ぶことができましたから。特にSEVENTEEN先輩が、本当にカッコよかった!

ーーほかのグループで仲良くなった人はいますか。

ハルト:新人の楽屋は大部屋なのですが、僕は同じ楽屋を使う人、全員にしゃべりかけました。

ユウト:コミュ力おばけなんですよ(笑)。

ハルト:めちゃ楽しかったです。今、チャレンジ動画が流行ってるじゃないですか。その交渉をしたり。

アントニー:うん、それはありがたかった。本当に羨ましいですよ、僕は自分からグイグイ行くことができなくて。

ハルト:僕が一番印象に残っているのは、日本のスポーツ新聞の「推しのパーツ」という特集で、僕の唇が掲載されたこと(笑)。あひる口してる僕の写真がバーンって載ったんです。

ーーじゃあ、自己紹介で「僕は唇が自慢です」と言わなくちゃ。

ハルト:今度から、「世界で戦える唇の持ち主ハルトです」って言おうかな(笑)。

ーーぜひ! 皆さんは、今年5月に韓国デビューも果たしましたが、韓国生活は慣れましたか?

ハルト:僕は、親の仕事の関係で子どものころから海外で育って来ました。今、韓国生活が4年半で、日本での生活より長くなるくらいだから、ほぼ韓国人になってきた気がしています(笑)。

ーー韓国語は日常生活に支障ないくらいに?

タクト:日常生活はある程度大丈夫なのですが、会社の人とミーティングするときはまだ、わからない言葉がありますね。

ーー韓国語を勉強することに興味を持っているファンも多いと思うので、上達方法を教えてください。

ユウト:やっぱり、口に出して言うことが上達の近道だと思いますよ。僕も最初は自分の韓国語力に自信がなくて話すことができなかったけれど、間違ってもいいからという気持ちで口に出すようになってから上達しました。TOZは全員日本人だけれど、普段から日本語の中に韓国語を混ぜてしゃべるようにしているんです。

ーー9月にはデビュー1周年を迎えます。今後の抱負をお願いします。

アントニー:韓国でも日本でもいい活動を続けるのはもちろん、いろいろな国にいらっしゃる僕たちのファンの方にも会って、ステージをお見せして感謝を伝えたいですね。ファンの皆さんの応援が僕たちの原動力です。本当に感謝しています。これからもTOZとTOPAZ(TOZファンの総称)で一緒に、花道だけを歩いていきましょう!

(文=坂本ゆかり)

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