【注意】「電動スーツケース」での危険な走行相次ぐ…大阪では歩道走行で初摘発 羽田空港や富士山のぞむ観光地にも

今年3月に電動スーツケースにまたがり、大阪市内の歩道を無免許で走行した疑いで、2024年6月26日、中国籍で留学生の30代の女が書類送検されました。
電動スーツケースでの走行が摘発されたのは、全国で初めてのケースです。

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警察によると、日本では公道での走行が認められていない「電動スーツケース」。

現在、様々な場所で電動スーツケースによる危険な「道路交通法違反」行為が増えているといいます。

観光地や空港…繁華街でも

「めざまし8」が訪れたのは、山梨県・富士河口湖町。日本を代表する富士山の美しい風景が見られるとあって、外国人観光客に人気の観光地です。

取材スタッフ:
あちらの女性、スーツケースに乗って移動していますね。

取材スタッフの目に飛び込んできたのは、スーツケースの上にまたがって移動する女性。足元をよく見ると浮いています。

そのまま横断歩道を渡って、向かい側の歩道に走っていきました。

女性が乗っていたのは、「電動スーツケース」。人が乗った状態で、電動で走行することが可能なスーツケースです。

取材スタッフが声をかけると、タイから観光で来たという女性。電動スーツケースは、「妊娠していて、歩きづらいので、移動用にと思い持ってきました」と話します。

日本の玄関口である羽田空港にも、電動スーツケースを所持している人の姿がありました。

中国人観光客:
このボタンがアクセルになっていて、このボタンはブレーキです。とにかく便利なんですよ。とくに(空港で)チェックインで並んでいるときには、座って移動できるしね。

電動スーツケース利用者:
ここで電源を入れると、リモコンで動く感じ。海外に行くと(空港が)広いので、歩くと大変なんですけど、これに乗るとシューっといけるので。

――空港内で使う用途で?
電動スーツケース利用者:
そうですね、街中で乗ることはないので。(最高速度は)早歩きくらいです。

販売業者によると、「電動スーツケース」のスピードは時速8km/h~13km/hほど、アクセルとブレーキはついていますが、ウインカーはついていないといいます。
販売時に公道では走れないことなど注意喚起はしているといいますが、「購入者がどこまでルールを認識していたかは分からない」と話します。

道路交通法に詳しい、高山俊吉弁護士は、ルールの周知が進まないまま電動スーツケースが公道上を走っていることについて、警鐘を鳴らします。

高山俊吉弁護士:
安全対策が講じられないままに、それほどの速度で走る。そういうツールが公道上に存在するということは、非常に危険なことだと言わざるを得ません。

最近では、人通りの多い繁華街、新宿・歌舞伎町などでも、電動スーツケースに乗って走行する人の姿が目撃されたり、海外の空港では、4人が並んで走行するという光景も見られました。

高山俊吉弁護士:この機会に問題にしておかないと、大きく広がる恐れがあると。

(『めざまし8』 2024年6月27日放送より)

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