会社員で「月給25万円」です。求人票は「賞与年2回、計3ヶ月分」とありましたが、夏のボーナスは「1.5ヶ月分」ですか? 手取りはいくらになるのでしょうか?

ボーナスはどう決まる?

ボーナス(賞与)は、毎月の給与と違い、法律で支払いが強制されているものではありません。そのため、計算方法や支給回数は、会社によってさまざまです。とは言え、ボーナスの計算方法には、いくつかのパターンがあります。

ボーナスの計算方法

ボーナスの計算方法には「基本給連動型」や「業績連動型」があります。

基本給連動型は「基本給×○ヶ月分」で計算されるものです。従業員としては、ボーナス額の予測がしやすく安定感があります。

これに対し「業績連動型」は、従業員個人や部署、会社などの業績によって、ボーナスの額が変動します。額が予測しにくい一方、頑張りが反映されやすく、人によってはモチベーションが上がるでしょう。基本給連動型と業績連動型を組み合わせてボーナスの額を決める会社も少なくありません。

また夏季・冬季のほかに、「決算賞与」を出す会社もあります。これは、会社の事業年度の利益を従業員に分配する意味合いのボーナスです。

ボーナスは年2回?

ボーナスの支給回数も、会社によって異なります。多くの会社は年2回、夏と冬にボーナスを支給しますが、決算賞与のみの会社もあれば、ボーナス制度自体がない会社もあります。

求人票の「○ヶ月分」とは?

求人票の賞与の欄には、よく「○ヶ月分」「前年度実績○円」などの記載があります。

「年2回、各2.5ヶ月分」というように書かれている場合は別ですが、もし「年2回、合計5ヶ月分」とされていたら、夏と冬の支給額は必ずしも同額とは限りません。通常は夏と冬2ヶ月分ずつ支給されるところ、たまたま前年の業績が良く、1ヶ月分上乗せになったということも考えられます。

事例のように、「賞与は年2回、計3ヶ月分」とされている場合も、必ずしも夏のボーナスが1.5ヶ月分もらえる訳ではないため、注意が必要です。

なお、会社の賞与査定期間によっては、入社間もない時期のボーナスは支給対象外になることもあります。

ボーナスの手取り額はいくら?

「ボーナスが○万円」と聞くと、額面がそのままもらえると期待してしまいますが、実際は社会保険料や所得税が差し引かれます。例として、ボーナスを「30万円」として、手取り額を計算してみましょう。

社会保険料と所得税を控除すると

ボーナスが30万円の場合は、次の額が控除されます。

・健康保険料 1万4970円
・厚生年金保険料 2万7450円
・雇用保険料 1800円
・所得税 1万446円
(東京都の協会けんぽ管掌の事業所に勤める40歳未満、扶養家族なし、普段の月給が25万円程の従業員を想定して計算しています)

上の金額を30万円から差し引くと、手取り額は約24万5334円になり、額面の30万円から5万円以上も減少します。ただし2024年の夏のボーナスに限っては、定額減税の影響で、所得税については控除なしになる可能性が高いでしょう。

まとめ

ボーナスの額を予想するのは楽しいものです。しかし求人票には前年の実績が書かれていることが多く、現在の実態と必ずしもイコールとは限りません。そのため、ボーナス額をなるべく正確に予想したい場合は、雇用契約書や就業規則(賃金規程)を参照することをおすすめします。

出典

ハローワークインターネットサービス 求人申込書の書き方
全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
国税庁 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和 6 年分)

執筆者:橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士

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