パリ五輪の選手部屋「エアコンなし」に海外懸念 昨年猛暑で5000人死亡「致命的な脅威の可能性」

7月下旬にパリ五輪が開幕する【写真:ロイター】

環境に配慮したパリ五輪

7月24日から競技が始まるパリ五輪で、選手村の設備が注目を集めている。選手が滞在する部屋にはエアコン設備がなく、各国が独自に調達することになると、米主要メディアが報じている。

米公共ラジオ局「NPR」は「パリはエアコンなしの選手村を求めている。米国代表団と他の国は穏やかではない」との見出しで記事を掲載。パリ五輪は「最も環境に優しい五輪」と大会を自称していることを紹介し、その一環として部屋にエアコンが設置されず、部屋の下に設置されたパイプを流れる水による冷却システムが導入されていると説明した。

記事では、「フランスは昨夏、欧州での観測史上、記録的な熱波が襲った。昨年フランスでは猛暑により5000人以上が死亡している」とし、「人口密度の高いパリは、欧州の都市の中でも暑さによる死亡リスクが最も高い」「高温は今年の五輪にとって致命的な脅威になる可能性がある」と説明。大会側が扇風機を提供することも伝えた。

米紙「USAトゥデー」も「パリ五輪に米国代表団がエアコンを持ち込むことについて知るべきこと」と見出しを打って記事を掲載。英ポーツマス大をはじめとした研究者たちが、今夏にパリを熱波が襲うことを懸念しているとし、「パリの年間気温は過去1世紀で3度上昇しているとレポートは伝えている」と説明した。

米紙「ワシントン・ポスト」によると、カナダ、イギリス、イタリア、ドイツ、ギリシャ、デンマーク、オーストラリアなどの国が、自前でエアコンを選手に提供するのだという。

THE ANSWER編集部

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