シンガポールからマカオへ向かう航空機内で乗客3人から現金盗む…中国人の男逮捕

航空機内窃盗事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

 マカオ治安警察局は6月26日、同月24日にシンガポールからマカオへ向かう航空機に乗り合わせていた複数人の乗客の手荷物から現金を盗んだとして、自称無職の中国人(中国本土居民)の男(52)を逮捕したと発表。

 同局によれば、フライト中にトイレに立った男性乗客(1人目の被害者)の座席に別の乗客の男が着席し、被害者が座席下に置いていたハンドバッグを物色したのに隣席の被害者の親族が気づき、男を一喝。男は立ち去り、座席に戻った被害者がハンドバッグの中を確認したところ、何もなくなっていなかったことがわかったが、事の顛末を乗務員に報告したとのこと。その後、乗務員が機内アナウンスで乗客に対して所持品を確認するよう求めたところ、乗客3人が人民元、香港ドル、シンガポールドルの現金を盗まれたと名乗り出たという。被害金額は合計約2万3500パタカ(日本円換算:約47万円)に上った。

 同機がマカオ国際空港に到着後、乗務員がマカオ警察当局に通報。また、乗務員が機内の荷物棚及び座席下から現金の入ったティッシュペーパー、黒いビニール袋、白いエチケット袋を発見し、中に入っていた金額が被害報告と一致。また、目撃者が乗客の中から容疑者の特定に成功したとのこと。

 容疑者は同局の調べに対して協力拒否の姿勢を示しているというが、容疑者が乗客が睡眠中やトイレに立った隙を狙って犯行に及び、盗んだ現金を機内の各所に隠すことで所持品検査があった際に発覚を免れようとしたとの見方を示し、男を加重窃盗罪で検察院送致する方針。また、容疑者は逮捕時に複数の外貨及び機内で発見されたものと同じ黒のビニール袋を所持しており、外貨の入手経緯について説明できず、マカオの訪問歴などから余罪があるものとみて捜査を継続するとした。

 アフターコロナで外地との往来が正常化した昨年以降、マカオを発着する航空機内での窃盗被害がしばしば報告されており、同局などが市民及び旅客に対して公共交通機関を利用する際の貴重品管理について累次の注意喚起を行っている。

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