時代を超えて愛される北欧のガラス細工などが一堂に!「フィンランドのライフスタイル展」いわき市で8月18日(日)まで

暮らしに彩りをもたらしてくれそうな、カラフルでユーモラスな作品たち。展覧会の会場の入り口では、森と湖の国・北欧フィンランドならではのサウナ文化を見たり、北欧家具の椅子に実際に座ったりすることができる。

案内してくれたのは、フィンランド雑貨などのインターネット通販サイトを運営するセレクトショップ「スコープ」の代表・平井 千里馬さん。今回のイベントでは、平井さんらがコレクションしてきた作品を中心に、家具や陶器など約700点を展示している。

使われた形跡もある年代物の作品の数々

こちらは、フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルトがデザインした「スツール60」。ほとんどが、1930年代から1950年代のものだ。
アアルトは、固い木を直角に曲げる新技術を開発し、「北欧の賢人」と称された。量産できるような先進的な発想も取り込まれていて、いまでも世界中で愛用されている。照明やガラス作品なども手がけ、北欧デザインを世界に広めるきっかけとなったことなどから、フィンランドでは英雄的な存在として慕われている。

なかには、創業150年を超すフィンランドの老舗ブランド「イッタラ」の作品も。こちらはアアルトが手がけた「花瓶」で、自然と調和するデザインが目を引く。

家にあったら、一気にオシャレになりそう!

そして、アアルトの妻であるアイノ・アアルトの作品で、有名なガラス食器シリーズ「タンブラー&ショットグラス『ボルゲブリック』」。湖に石を投げ入れた際に広がる同心円状の波紋をイメージしている。涼やかで美しいだけでなく、表面に段があって持ちやすく重ねて収納できるなど、気持ちよく使えるよう工夫されている優れものだ。

デザイン性も機能性も高く、温かみがある

さらに、飽きのこないシンプルなデザインで、フィンランドの家庭に広く普及したデザイナー、カイ・フランクの「『キルタ』シリーズ」も並ぶ。大衆のための丈夫なデザインを目指して、絵柄を入れていない。単色で仕上げることで価格を抑えた点や、職人さんを大事にしていた人柄などが評価され、「フィンランド・デザインの良心」と謳われている。

普段使いできる機能的なデザイン

こちらは、鳥をモチーフにしたカラフルなガラスの作品、オイバ・トイッカの「アニュアルバード」。豊かな色彩の中に、繊細なニュアンスがある。年号が刻まれた新作が毎年発表されるため、コレクターズアイテムとしても人気の高い作品だ。

曲線が美しい

さらに進むと、壁一面カラフルな空間が。「テキスタイル」という、カーテンや洋服になる前の生地だ。

華やかなマリメッコの「テキスタイル」

奥には、花をモチーフにした陶器「レリーフ『陶の花』」シリーズが。世界中で愛されるフィンランドのアパレル企業「マリメッコ社」で、30年以上テキスタイルデザイナーをしていた石本 藤雄さんの作品だ。フィンランドのデザイナー・陶芸家であるビルゲル・カイピアイネンにとても刺激を受けたという。陶芸家としても活躍していて、色彩やデザインがかわいらしい陶器や陶板をつくっている。

左側が石本さん、右側がカイピアイネンの作品

展覧会の1階にはお土産コーナーがあり、1300点を超えるグッズが揃う。北欧といえばムーミン!ビスケットの味がそれぞれ異なる3種類のムーミン缶に加え、マスキングテープや付箋などの文房具も。

ムーミン好きにはたまらない!

北欧デザインが描かれた展覧会オリジナルのサコッシュや、石本さんがデザインした花が描かれた小皿なども販売されている。

これからの季節にもピッタリのデザイン

北欧のデザイン大国・フィンランド。「フィンランドのライフスタイル 暮らしを豊かにするデザイン」の展覧会は、曲線の美しさを体感できる作品にたくさん出会える場だ。心がほっこりするような作品たちから刺激を受けて、暮らしを豊かにするヒントを見つけてみたい。いわき市平の「いわきアリオス」の北側にあるいわき市立美術館で、8月18日(日)まで開催している。

Chu!PRESS編集部

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