ファンタジー・オン・アイス 羽生結弦さんが演技に込めた特別な思い「希望を持って欲しい」

愛知県常滑市で開催された、ファンタジー・オン・アイス。ショーの主役、羽生結弦さんがプログラムに込めた特別な思いとは。さらに、初出演した2人の若き地元スケーターにも迫ります。

5月末から3日間、Aichi Sky Expoで開催された「ファンタジー・オン・アイス」。 国内外のトップスケーターたちが集まり、華麗な演技を見せました。 そんな中、ひときわ会場を盛り上げたのが、羽生結弦さん(29)。

4分でウルフィダンスを踊る

ショーの合間のインタビュー中、どうしても羽生さんに会いたいとやってきたのが―― メ~テレマスコットキャラクターのウルフィです! 一緒にウルフィダンスを踊りたいというお願いに、快くOKしてくれた羽生さん。 しかし、練習できる時間は、たったの4分。 「これは予習してきたかったやつだ。ゼッタイ覚えられない!」とは言いながらも、そこはさすがの羽生さん。 初めて見る振り付けも、あっという間に習得していました。

2年ぶりの「ファンタジー・オン・アイス」

2年ぶりとなった、愛知でのファンタジー・オン・アイス。 前回の公演では―― 氷に穴が開き、ショーがストップするハプニングが。 リンクを修復する間、アドリブで場をつなぐ一幕もありました。 「氷が割れてしまうのは、僕らにとっても危険なことで。そこに足をとられてしまって、不意に転倒すると、けがをしてしまう。整氷作業を退屈に思ってほしくなかったので、必死でした」(羽生結弦さん)

「Danny Boy」への思い

今回は、2つのプログラムを演じた羽生さん。 1つは、「Danny Boy」。 故郷・仙台でも大きな被害が出た、東日本大震災への思いから生まれたプログラムです。 「僕も含めて会場だったり、テレビで見ている方々に対して、すごく抽象的でいいから、希望的なもの。未来への活力みたいなことを、祈りながら滑っています」(羽生さん) Q.震災への想いもある 「そうですね、もちろんありますけど。でもどちらかというと、愛知で滑る『Danny Boy』は、皆が希望を持って欲しいというイメージで滑っています」(羽生さん)

羽生さんに憧れる中学2年の地元スケーター

そんな祈りを込めた滑りを、憧れの眼差しで見つめる地元スケーターがいました。 北名古屋市出身の中学2年・上薗恋奈選手(14)。 「テレビとかで、自分のポスターを貼ってくれたり、演技を参考にしてくれたりとか言ってくれているのを見て、すごくうれしかった。彼女自身、ジャンプを跳んでいる姿勢とかすごくきれいなので、真っすぐさみたいなものは、ぜひ堪能してほしい」(羽生さん) ジュニア1年目の、今シーズン。 ジュニアグランプリファイナルをはじめ、出場した国際大会すべてで表彰台に。 いま最も勢いのある、愛知の若手スケーターなんです。

憧れの羽生さんと初共演

羽生さんの大ファンでもある上薗選手の家には、グッズがいっぱい。 お気に入りは―― 「羽生さんが言った言葉の本が好き」(上薗選手・当時12歳) 実は、1年以上前のこの取材中―― 「ファンタジー・オン・アイスは出てみたい。羽生さんとは、まだ会ったことがないので、一緒に写真を撮りたいです」(上薗選手・当時12歳) そんな夢が叶い、ついに憧れの羽生さんと初共演! 「羽生さんはオーラがすごくあって、集中力だったり練習の仕方っていうのは、すごいなと思ったので、色々なことを学びました」(上薗選手)

中学生離れした表現力で観客を魅了

そうして、迎えた本番。 羽生さんも注目する美しいジャンプに、中学生離れした多彩な表現力で、観客を魅了しました。 そして羽生さんとの念願の2ショットも、ばっちり撮っていました。 「羽生さんみたいに、ジャンプもスピンもスケーティングも、すべてきれいな選手になれるように、自分も頑張っていけたらと思います」(上薗選手)

次世代のスター候補がもう一人

もう一人、将来有望な愛知ゆかりのスケーターが出演していました。 この春、中京大中京高校に入学した、中田璃士選手(15)。 今シーズンは、ジュニアのグランプリファイナル金メダル、世界ジュニア選手権でも銀メダルを獲得した逸材です。 次世代のスター候補を直撃しました。 Q.ファンタジー・オン・アイスは、どんなイメージがあったか 「日本でも、トップのアイスショーだと思っています。こんな夢の舞台で滑らせてもらえるんだという思いが強かった」(中京大中京高校 中田璃士選手)

宇野昌磨さんに憧れて…

実は、中田選手にも憧れているスケーターがいます。 「憧れは宇野昌磨さん。小さい頃からずっと、宇野さんの試合が終わった後とか、次の日は練習で、ずっと昌磨くんになりきっていたので」(中田選手) 中京大中京高校の先輩にあたる宇野さん。 5月、将来有望な後輩への期待を語っていました。 「15歳には見えない、大人っぽさがスケートに表れている。ジャンプも、どんどんレベルが上がっていくだろうと思う。彼にとってスケートが辛いものではなく、楽しいものとして、これから長く、将来はフィギュアスケート界を引っぱる存在になってくれたらうれしい」(宇野昌磨さん) 「こんなことを言ってもらえるなんて、すごくうれしい」(中田選手) Q.「スケート界を引っぱる存在になってほしい」と言われたが 「そうなれるように毎日を大事にして、楽しみながら頑張りたい」(中田選手)

愛知のファンを沸かせ続けた3日間

世界のトップスケーターや地元の新星がショーを彩ったファンタジー・オン・アイス。 3日間、愛知のファンを沸かせ続けました。

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