アウディ史上最強の925psは電気自動車だった!?e-tron GTが本国で改良モデルを発表

アウディAGは2024年6月18日、4ドアクーペのハイパフォーマンスBEVである「e-tron GT」シリーズの改良モデルを本国で発表した。

内外装のリニューアルだけでなく、パフォーマンスアップも実現

アウディe-tron GTは2021年2月にワールドプレミアさて、日本では4月に初公開されている。e-tron GTは4ドアクーペと位置づけられており、アウディのハイパフォーマンスBEVとして、世界で好調な販売を続けている。

左からRS e-tron GT、RS e-tron GT performance、S e-tron GTの3グレードを設定。

そして今回、本国で改良モデルが発表された。新しいe-tron GTシリーズは、よりスポーティな外観に進化したほか、車両の航続距離、パフォーマンス、充電性能、ハンドリングが大幅に向上している。

従来モデルのラインアップは、e-tron GT quattroとRS e-tron GTの2グレードだったが、新型はS e-tron GT、RS e-tron GT、RS e-tron GT performanceの3グレード展開となる。

この3グレードは外観でも差別化が図られている。まず、S e-tron GTのデザインコンセプトは「エレガント」。フロントフリルはエンボス加工が施され、より立体感を与えているほか、リアディフューザーは垂直FINを備えたエレガントなデザインとしており、視覚的に質感を高めている。

RS e-tron GTのデザインコンセプトは「スポーティ」。それはフロントマスクを見ただけでも感じられ、かなり“過激”でスポーティな外観に仕上げている。また同グレードのリアには、L字型ブレードを持つ流線型のディフューザーを採用するなど、モータースポーツの要素が取り入れられている。

RS e-tron GT performanceは、オプションのマットなダークカーボンルーフやカーボンカモフラージュパーツを組み合わせ、RS e-tron GTのスポーティ感をさらに進めている。ちなみに同グレードは電気自動車としては、初のRSパフォーマンスモデルとなる。

S e-tron GTは20インチマルチスポークアルミホイールを装着。
S e-tron GTは全体的にエレガントなデザインにまとめられている。
RS e-tron GTはスポーティなエクステリアが特徴だ。
RS e-tron GTには、21インチの6ツインスポークアルミホイールを装着。
RS e-tron GT performanceは各所にオプションでカーボンカモフラージュパーツを装着。
RS e-tron GT performanceは電気自動車で初のRSパフォーマンスモデルとなる。

スポーティさをさらにアップさせながら、持続可能な素材を採用

インテリアもシート、ステアリングホイール、サイドシルなどが新しいデザインが施されている。

RS e-tron GT performanceのコクピット。外装に合わせてマットカーボンカモフラージュも用意されている。

新型S e-tron GTは、上部と下部が平らなステアリングホイールを備えている。一方、RSモデルのステアリングホイールには2つの赤いコントロールボタン(左がBOOST、右がRS)を装備し、オプションで12時の位置に赤いマーキングを選択することができる。

インテリアには、持続可能なマイクロファイバー素材のDinamicaとファブリックのCascadeが使用されている。スエードのような外観と手触りのDinamicaは、ほぼ半分が再生ポリエステルで構成されており、その一部はアウディがファブリックのスクラップから調達したものとなる。

RS e-tron GT performanceのシート。持続可能なマイクロファイバー素材のDinamicaはほぼ半分が再生ポリエステルで構成されている。

モーターは前後に永久磁石同期モーター (PSM) を搭載しており、駆動システムの最大合計出力は、S e-tron GTは500kW(679ps)、RS e-tron GTは630kW(856ps)、RS e-tron GT performanceは680kW(925ps)を発生する。パフォーマンスはアウディ史上、最もパワフルな量産車となる。

0→100km/h加速性能については、S e-tron GTは3.4秒、RS e-tron GTは2.8秒、RS e-tron GT performanceは2.5秒という驚異の動力性能を見せる。

バッテリーはより軽量でエネルギー密度の高いものを新開発。総電力量は105kWhを実現している。また、急速充電にも対応しており、最大充電電力は50kW増加させて320kWとしている。理想的な条件下では、10分間の充電で最大280km走行可能としている。

本国ではすでに発売を開始しているが、日本での発売時期についてはまだ公表されていない。

充電性能を向上させて、高出力充電(HPC)ステーションでは18分で10~80% まで充電できる。
高電圧 (HV) バッテリーは、重量を9kg軽減すると同時にエネルギー密度を高め、総電力量は105kWhとしている。

© 株式会社モーターマガジン社