河野氏、自民総裁選出馬へ始動「三度目の正直」 菅氏が岸田退陣論投じ闘志に火 出馬意欲問われるとのらりくらり

自民党総裁選出馬を巡る報道について問われ笑顔を見せる河野太郎デジタル相=27日、デジタル庁

 自民党の河野太郎デジタル相(衆院15区)が「三度目の正直」(支持議員)を狙う総裁選への出馬に向け始動した。26日夜には所属する麻生派の会長・麻生太郎副総裁と都内の日本料理店で会食。同派関係者によると出馬の意欲を伝えたとされる。河野氏は27日、記者団の取材に応じ、経緯を問われると「面白い小説だ」と述べ、けむに巻いた。

 岸田文雄首相の下、紙の健康保険証の廃止などマイナンバーカード普及を巡る難題を抱え、「動くに動けない状態」(同)の河野氏。しかし、過去2回の総裁選で支持に回った菅義偉前首相(2区)が岸田退陣論を投じたことで、闘志に火がつき始めたようだ。

 河野氏は5月21日にも麻生氏と会談している。同派関係者によると、この折に麻生氏へ出馬意欲が伝わらなかったことを巡り、河野氏を支持する議員らから「もう一度ちゃんと会って話すべきだ」と再度の会談を促されたという。

 河野氏は今月27日、デジタル庁でのイベント後に記者団の取材に応じ、出馬意欲を伝えた一部報道について問われると「誰が? どの河野さん?」とのらりくらりとかわした。さらなる問いかけに、「飯を食っている時に何の話をしたかということは言ったことはない」ときっぱり。次第に表情をゆがめながら「勘弁してください」と言い会場を後にした。 

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