高齢の姉妹から2000万円横領か 「もう会わない」と相談相手への手紙書かせた疑いも 施設の元社長ら

■高齢姉妹から2000万以上横領の元社長、心配した知人あてに縁切りの手紙書かせた疑い

高齢の姉妹から、現金2000万円以上を横領した疑いなどで、介護施設の元社長が逮捕されました。元社長は、被害に気付いた知人と関わりを断つよう、姉妹に手紙を書かせ、通報を免れようと画策した疑いがあることが分かりました。

関西テレビが入手した一通の手紙。

【手紙】「私はとても立腹しています」「ご迷惑をかけるような行動はお控えください」

これは、横領の被害にあった80代の姉妹が、相談相手の知人男性に宛てたものです。姉妹はなぜ、男性と関係を絶とうとしたのでしょうか。

■去年8月、知人男性らが被害に気付き、警察に相談

大阪市鶴見区で、介護施設を運営していた西影由貴容疑者(38)は、施設を利用していた姉妹のキャッシュカードを不正に使い、現金およそ2000万円を横領した疑いなどで、逮捕されました。

事件が発覚したのは、去年8月のこと。知人男性らが姉妹の被害に気付き、警察に相談しました。

【警察に相談した知人】「生命保険も解約されているわけですよ。家、現預金もあったと思うけれど、全部盗られてるからね」「私も(西影容疑者と)喋ったけれど、饒舌やし、詐欺師の手やわね。洗脳やと思いますよ」

■認知機能に問題がなかったのに、なぜ「洗脳」されたのか?

認知機能に問題はなかった姉妹。なぜ”洗脳”されてしまったのでしょうか?

【西影容疑者吹き替え】「妹さんは、お金を使いすぎるから僕が管理してあげる」

西影容疑者にこう持ちかけられた姉妹は、施設を利用し始めてすぐ、容疑者にカードを渡したといいます。

さらにおよそ1年後、西影容疑者は、姉妹の自宅を売却し、クーラーのない集合住宅に引っ越しをさせたとみられ、姉妹は熱中症になり救急車で運ばれるなど、劣悪な環境で暮らしていました。

■警察に相談した数日後、姉妹から手紙が…

【警察に相談した知人】「お金全然くれへんねんとか、怖いねんとか言ってた」「俺ら(西影容疑者ら)がおらんことには生きていかれへん、というような言い方を(姉妹は)されたと言っていた」

その状況を心配した知人男性が、行政や警察に相談していたところ、数日後に突然、姉妹から手紙が届いたといいます。

【手紙】「事実ではないことを言いまわられ、こちらの望んでいないことをされた事に関して、私はとても立腹しています。私達に関わる事について、何か言い廻る様な事は一切しないでいただきたいし――連絡を取ったりお会いする気もございません」

■容疑者が、事件の発覚を免れようと手紙を書かせたか

捜査関係者によると、実はこの手紙は、西影容疑者が事件の発覚を免れようと、姉妹に書かせた疑いがあるということです。

警察の調べに対し、西影容疑者は「お金の引き出しを、お願いされたのでやったこと」と容疑を否認しています。

警察は、自宅の売却を巡っても横領がなかったか、調べています。

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