世界で初めて 弱視に対する脳内マリファナ類似物質の働きを解明 鳥取大学医学部などの研究グループ

脳の発達に影響を及ぼす物質の働きによって、視力に障害が起こり弱視になる仕組みが、鳥取大学医学部などの研究グループによって、世界で初めて明らかにされました。

これは、鳥取大学医学部の亀山克朗助教と当時鳥取大学大学院の学生で、現在は生理学研究所に所属する米田泰輔助教などの研究グループが、およそ10年前から研究に取り組み明らかにしました。

研究グループは、生後初期の哺乳類の片眼を一時的に遮蔽すると弱視になるという現象を基に、脳の発達に重大な影響を及ぼす2歳から8歳までの時期に、特定の脳内マリファナ類似物質の働きによって、弱視になってしまうことを、世界で初めて明らかにしました。

鳥取大学医学部生命科学科 畠義郎教授「今回は視覚の話でしたが、これがどこまで脳のほかの領域にも一般化できるのか、脳のほかの働きの発達にも内因性カンナビノイド(脳内マリファナ類似物質)がかかわるかどうかを知りたい。」

人の体内で生成される脳内マリファナ類似物質は、記憶や認知、運動、免疫などの生体機能を調整する役割を果たしていて、今回の研究によって、視力以外の機能への働き・影響の解明などについても期待が高まります。

また、この研究結果は、青年期までにマリファナを摂取すると、脳の発達に影響を及ぼす可能性も、示しているということです。

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