救急搬送で「マイナ保険証」活用へ 県広域消防組合 7月から実証事業

「マイナ保険証」で患者の医療情報を読み取り、素早い救急搬送につなげる「マイナ救急」の実証事業が、県内でも7月から始まります。県広域消防組合は26日、救急隊を対象にした説明会を開きました。

「マイナ救急」は救急搬送の際に保険証と一体化したマイナンバーカード「マイナ保険証」を使うことで、救急隊が患者の医療情報を把握し素早い搬送につなげるものです。患者本人の同意を得たうえでタブレットでマイナ保険証を読み取ると、氏名や年齢のほか、これまでの受診歴や処方された薬などが確認できます。

説明会のあとは、呼吸困難の男性を救急搬送するという想定で、デモンストレーションが行われました。救急現場では、患者本人や家族から受診歴などを口頭で確認していますが、意識がないときや自身の医療情報が分からず確認が難しいことがあるといいます。デモンストレーションでは「マイナ保険証」の情報をもとに、患者をかかりつけの病院に搬送するための手順を確認していきました。

「マイナ救急」の実証事業は全国で始まっていて、県広域消防組合では7月2日から約2カ月間行われる予定です。

県広域消防組合 警防部救急課 奥山真之さん

「マイナンバーカードの所持とマイナ保険証を連携していただくことが、今回の(実証事業での)閲覧につながっていくので、住民の多くの皆さんにマイナ保険証を連携していただきまして、救急の協力をお願いしたいと思っております」

なお消防庁では、実証事業で出た意見を取りまとめ、2025年度中に「マイナ救急」の本格運用を始めたいとしています。

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