イオンモール土岐にシネコン「イオンシネマ土岐(仮称)」来春開設 岐阜・東濃地域20年ぶり映画館

シネマコンプレックス開設が発表されたイオンモール土岐=土岐市土岐津町土岐口

 イオンモール(千葉市)は27日、岐阜県土岐市土岐津町土岐口の商業施設イオンモール土岐に、コンパクト型のシネマコンプレックス(複合映画館)「イオンシネマ土岐(仮称)」を新設する、と発表した。今月末で閉店となる1階のアウトドア用品専門店跡に、来年春に開業予定。スクリーン数、座席数など詳細は未定だが、スクリーンは五つ以上設ける方針。2004年に多治見市錦町の「多治見シネマ」が閉館して以来、東濃地域には映画館がなく、劇場に灯がともるのは二十余年ぶりとなる。

 同社によると、イオンシネマは1階のスポーツオーソリティアウトドアステージの区画に入る。「この地域に映画館が欲しい」という客の熱い要望に応えたという。最新の映像技術と音響設備を導入する。アミューズメント施設が充実しているイオンモール土岐の特徴を生かし、エンターテインメントをさらに強化する狙いがある。

 イオンシネマを運営するイオンエンターテイメント(東京都)によると、土岐は全国97カ所目の劇場となる。県内では各務原に続き2カ所目。同社のスクリーン数は8~10が多く1スクリーン400席もある所もある。コンパクト型は座席数36~110の五つのスクリーン(計414席)のあるとなみ(富山県)に続き全国2カ所目。既にある区画に合わせて決めた。

 イオンモール土岐は2022年10月にオープン。開店前から映画館ができなかったのを残念がる声が上がっていた。矢口祐介ゼネラルマネージャー(45)は「地域から多数の要望を頂いており実現できて良かった。映画に訪れた方が食事や買い回りをしていただけたら施設全体が活性化する」と期待する。コーヒー店など3店舗を出店し、入居テナントでつくる同友店会理事長の石黒義啓石黒商事社長(42)は「開店がコロナ禍と重なり、集客には苦労してきた。映画は大事な文化で、地域念願の映画館はありがたい。売り上げアップが見込める」とにっこり。加藤淳司土岐市長も「市民の願いが形になり、大変喜ばしい」とコメントした。

 映画館のない東濃地域の住民は各務原市や関市、愛知県小牧市や名古屋市などに映画を見に出ている。27日夕に小学6年と3年の2児を連れて買い物に訪れた会社員(46)=土岐市妻木町=は「名探偵コナン」のため50分近くかけて同県長久手市の劇場に連れていくという。多治見市の劇場で「ドラえもん」を見た自身の小学生時代を振り返り「近くにできるのはありがたい。東濃地域が潤う」と喜んでいた。

イオンシネマ土岐(仮称)が新設される1階付近=27日午後4時8分、土岐市土岐津町土岐口、イオンモール土岐

© 株式会社岐阜新聞社