埼玉県内でブリーダーをしていた81歳の男が、繁殖能力がないと判断した犬を袋で密封し殺した「動物愛護法違反」の疑いで逮捕された。犯行は2023年8月に関係者からもたらされた情報提供を契機に発覚。男は逮捕前の任意の調べで、「繁殖に使えなくなった犬を生かしておくと経費がかかる」と話していた。
「経営者が、繁殖能力がないと判断した犬を殺している」情報提供が契機に
動物愛護法違反の疑いで、27日に逮捕された渡部幸雄容疑者(81)。
5月には、埼玉・毛呂山町にある渡部容疑者の自宅で家宅捜索が行われた。
捜索の契機は、2023年8月に関係者からもたらされた「経営者が繁殖能力がないと判断した犬に餌を与えず衰弱死させたり、かごに入れたままビニール袋で密封して殺している」という情報提供だった。
家宅捜索では、3匹の犬がカゴの中で死んでいるのが見つかった。犬はポメラニアンやトイプードルなどで、袋などで密封したカゴの中に閉じ込め、窒息死させた疑いがあるとみられている。
家宅捜索では捜査員との間で、次のようなやりとりがあった。
捜査員:
世間とずれちゃってる感じがしますね。(うなずく渡部容疑者)
保健所の人とかにどうやって処分してるかって聞かれて、このやり方は言わないでしょう?
渡部容疑者:
あんまり聞く必要もないから向こう(保健所)も。
捜査員:
聞かれたことは?
渡部容疑者:
ないないない
捜査員:
えさ代とゴミの処分で?
渡部容疑者:
そんなもん、15万から30万(円)はかかる。
捜査員:
売り上げがね?
渡部容疑者:
ないとやっていけない。
容疑者「犬を生かしておくと経費がかかる」
子犬をオークション会場で販売するなどして、2022年は約2700万円の売り上げがあったという渡部容疑者。
逮捕前の任意の調べには、「繁殖に使えなくなった犬を生かしておくと経費がかかる。行き場のなくなった犬の責任をとるつもりで殺した」などと話していたという。
5月には獣医師が容疑者宅にいる犬の健康状態を確認。
この飼育場では、繁殖用の犬と販売前の子犬など約180匹が飼われていて、警察は健康状態が悪い17匹を保護。
渡部容疑者は家宅捜索後、廃業届を提出し、警察が保護した犬の飼育も放棄したという。
そして27日、犬3匹を窒息死させた疑いで逮捕された渡部容疑者。
警察の調べに対し「1匹は生きているうちに閉じ込めたが、2匹はもう死んでいた」と話し、容疑の一部を否認しているという。
(「イット!」 6月27日放送より)