湖東記念病院国賠訴訟 西山美香さん証人尋問

患者の死亡をめぐり、再審無罪となった元看護助手の女性が国と県に国家賠償を求めている裁判。大津地裁では、27日、証人尋問の最終日を迎え、元看護助手の女性、本人が証言台に立ちました。

元看護助手の西山美香さん・44歳は、東近江市の湖東記念病院で、入院患者を殺害した罪で、12年服役した後、2020年に、やり直しの裁判=再審で、無罪が確定しました。

違法な捜査で殺人犯の汚名を着せられたとして、西山さんは国家賠償を求めています。

西山さんの弁護側からは、亡くなった患者の人工呼吸器のアラーム音を聞いていないのに、なぜ聞いたと言ったのかと質問されました。これに対し、西山さんは、「取り調べをしていた刑事が机を叩いたり、亡くなった患者の写真を並べて、首をつかみ『責任を感じないのか』と言われたりして怖くて認めた」と話しました。

一方で、刑事への好意があったとし、「認めると、優しくなり、いろいろな話をきいてくれるようになった」としました。また、国家賠償訴訟をなぜ起こしたのかと問われると、「取り調べの違法性や、国が何度も抗告して人を苦しめることを知ってもらいたかったから」としました。また裁判の中で、裁判記録からは撤回されたものの、県側の弁護士から、「この国家賠償訴訟に至るまでの一連の出来事は、最初に、西山さんが自白したことが始まりではないか」という質問があったことについて、裁判終了後、会見を開いた西山さんの弁護団は、「西山さんは、これまで冤罪で刑務所に入って再審無罪になってもそうしたことを言われる。この言われようは不適切で二重の被害を与えるもの。今後、捜査機関には改めて振り返ってもらって、冤罪犠牲者がいなくなってほしいと西山さんは言っていた。この訴訟を通じて西山さんの思いをかなえてほしいと改めて思う。」としました。

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