クマ目撃が過去最多ペースの福島県…人的被害の現場周辺で集中的にパトロールも

福島県内では27日も郡山市内で道路を横切るクマが目撃されるなど、今年のクマの目撃件数は過去最も多いペースとなっています。

6月24日に女性がクマに襲われけがをした福島県喜多方市の現場近くでは、市の職員によるパトロールが行われるなど被害を防ぐ対策が進められています。

27日午前7時半ごろ、市職員が住民に注意を呼び掛けたのは、やはりクマ。

この地区では24日、70代の女性が自宅で飼っているヤギに餌を与えるため小屋に入り、奥にいたクマに襲われて、けがをしました。

これを受けて、市は27日まで集中的に、現場周辺で朝と夕方のパトロールを行いました。

喜多方市熱塩加納総合支所の沢井康人住民課長は、「広報や防災無線等を活用して、注意を呼びかけていきたい」と話します。

住民からは、「クマは1、2回遠くで見かけたことがある。花火や爆竹も一応常備している」との声も。

市によりますと6月に入ってから、ほぼ毎日のようにクマの目撃や足跡があったなどの情報が市民から入っていて、家の近くにクマの餌になるような物を置かないなどの対策を呼びかけています。

一方、会津若松市のホームセンターを取材した遠藤里英子記者によると、店の中にはクマ対策グッズのコーナーが、ひときわ目立つ色で開設されていました。

この店では数年前から、品揃えを強化していて、16種類の商品が並んでいます。

ダイユーエイト会津若松店の高田佳知店長は「売り上げは昨年比でみると約2.5倍、かなり関心が高まっているかなと感じている」と話します。

今年は、クマの目撃が増え始める4月にコーナーを設置。

音を鳴らすことで、人の存在を知らせる鈴やラジオなどの定番商品のほか、ここ数年は、クマに遭遇した時に刺激臭を吹きかけて撃退するスプレーが人気を集めています。

スプレーの販売数は、去年に比べると約10倍に伸びているということです。

買い物客からは「会津若松近辺でもクマがだいぶ出ているので、どんな物があるのかなと思って見ていた」、「やはり音が出るグッズが一番じゃないか」などの声が聞かれました。

店によると、住宅街でもクマが目撃されていることから、山に入らなくても自宅に備える人が多くなっているということです。

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