同じお金なのに価値が変わるのはなぜ? 明治・大正・昭和・平成それぞれの時代のお米の価格推移

今の物価を知るには消費者物価指数がポイント

今と昔のお金の価値を比較する場合に、活用するのは「企業物価指数」と「消費者物価指数」です。企業物価指数は国内において企業同士で取引するものを対象にし、どれぐらい価値が上がったか、あるいは下がったかを判断します。

一方、消費者物価指数は小売段階のものやサービスを対象としています。今回は、企業物価指数をもとに、それぞれの時代のお金の価値を100円あたりで考えてみましょう。参考までに、今回の企業物価指数は下記の表1にまとめた数値を活用します。

なお、100円の価値を算出する計算式は
現在の企業物価指数÷該当する年度の企業物価指数
で倍率がでるため、この数値を100円に乗じます。

表1

※日本銀行「昭和40年の1万円を、今のお金に換算するとどの位になりますか?」をもとに筆者作成

明治から令和まで時代が流れる中で100円の価値が大きく変化していることが分かります。とくに、明治時代の100円は、現在の価値で20万円近い金額になるため、大金であったことが分かるでしょう。

各時代のお米の価格推移

ここでは明治・大正・昭和・平成、各時代のお米の価格推移を紹介します。

買える米の量を計算してみる

明治元年はお米の値段が10kgあたり0.55円でした。大正元年は1.78円、昭和になるとお金の価値が高まり、昭和20年には10kのお米を6円で購入できました。100円あたりに換算すると2kgのお米が購入できることになります。

平成になるとお金の価値はより高まり、2002年(平成12年)では、10kgあたりのお米の金額は2000円ほどです。なお、近年はスーパーで10kgのお米が3500円ほどで販売されているため、この25年でまたお金の価値が高まっていることが分かります。

お金の価値が変わる理由

お金の価値が変わる理由はさまざまですが、経済成長力や貿易収支、国家自体の安定性などが要因としてあげられます。国の財政が安定しており、かつ経済発展が見込めるような場合はお金の価値が高まります。

一方、国の財政が赤字続きだったり将来性が期待できなかったりする場合には、反対に価値が下がる可能性もあるでしょう。

日本の場合は歴史を重ねる中で経済成長を繰り返し発展を遂げてきました。その中でお金の価値が高まっていったのです。

お金の価値は今と昔で違う

明治時代と現在のお金の価値を比較すると、大きな差があることが分かります。「昔の人のお給料はたったの数十円だった」と聞くと驚きますが、企業物価指数をみると頷けるでしょう。お金の価値は時代によって大きく違うものの、どの時代においても大切なものという認識は変わりません。今後、ニュースを見る際に物価指数についても注目してみてはいかがでしょうか。

出典

日本銀行 昭和40年の1万円を、今のお金に換算するとどの位になりますか?

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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