「500%の利益目標」SNS型投資詐欺で60代女性が740万円被害 「必ずもうかる」には注意 愛知

テレビ愛知

SNSで投資を持ちかけ現金をだまし取る「SNS型投資詐欺」が今、被害が急増しています。「必ず儲かる」といったうたい文句には要注意です。

カメラに向かってピースサインをする男。詐欺の疑いで逮捕され、6月27日、名古屋地検に身柄を送られたのは東京都荒川区の職業不詳、伊藤大奨容疑者です。伊藤容疑者はある詐欺事件を巡り、愛知県内で初の逮捕者となりました。それが…

SNS上で投資家や著名人をかたり投資話を持ち掛け、直接会うことなく現金を騙し取る、いわゆる「SNS型投資詐欺」。警察庁によりますと、2024年1月から4月末までに全国で発生したSNS型投資詐欺による被害の総額は、約334億3千万円で、前の年の同じ時期に比べ約295億円増加しました。愛知県内でも225件の被害が確認されていて、被害額は約27億円に上っています。

警察によりますと、伊藤容疑者は2022年11月から2023年2月にかけ、ほかの人物らとともに、千種区に住む63歳の女性にウソの投資話を持ち掛け、現金あわせて740万円をだまし取った疑いがもたれています。

謎の投資グループにLINEアカウントが勝手に追加される

伊藤容疑者は、口座から現金を引き出す役、いわゆる「出し子」とみられています。なぜ女性は大金をだまし取られたのか?

2022年11月、被害者の女性が使用するLINEのアカウントが突然、「江藤堅一投資説明会」というグループに追加されました。グループには、アメリカの金融会社で客にFX投資などのアドバイスを行っているという江藤堅一を名乗る人物や江藤のアシスタントと名乗る人物のほか、被害女性と同じように、グループに追加されたとみられる人が200人以上いたといいます。

「500%の利益目標を達成するのを手伝います」投資を進められる

メッセージ欄には、江藤のプロフィールのほか「500%の利益目標を達成するのを手伝います」といった内容が投稿されていました。これを見た女性は投資に興味があるという趣旨の返信を行うと、江藤を名乗る人物らは盛んに投資をすすめてきたといいます。

女性は言われるがままに、名古屋市内のATMで14回にわたって現金を振り込み、総額は740万円に上りました。

「必ず儲かる」という話はない

警察によりますと、振り込んだ口座の1つが伊藤容疑者、本人の名義だったことから、今回の逮捕につながりました。SNS型投資詐欺に詳しい専門家は…

弁護士法人・響 古藤由佳弁護士:
「SNS型投資詐欺の特徴としては直接、人と会わずに完結するということ。今回の事件のように、実在する投資会社の名義ではない口座などに振り込ませる事も多いです。『必ず儲かる』という話はありませんので、SNSだけで完結する投資話はすべて詐欺だと思ってください」

警察は伊藤容疑者の認否を明らかにしていませんが、ほかに首謀者や共犯者がいるとみて、詐欺グループの全容解明に向けて捜査を進めています。

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