『土砂災害に厳重な警戒』1時間に70ミリの “非常に激しい雨” 大雨に警戒が必要な気圧配置「危険な3要素」

雨の予想

27日(木)午後8時。九州の西の海上に発達した雨雲が予想されていて、次第に西から雨が強まります。雨のピークの時間が長い予想で、未明から明け方にかけて、九州北部・南部問わず激しく降り続く予想です。

そして昼過ぎ、夕方にかけても雨が続くところがありそうです。

九州北部地方6県に『線状降水帯』予測情報

熊本県、福岡県、山口県、長崎県、佐賀県、大分県の6県に、線状降水帯の予測情報が発表されています。

発生が予測されている時間は、27日夜から28日午前中にかけて、大雨災害に厳重な警戒が必要です。

~28日(金)予想天気図

28日にかけての予想天気図です。梅雨前線が九州の北に、そして前線上には低気圧が発生しています。

熊本で大雨になりやすい気圧配置になっています。今回の大雨は、危険な要素が3つ揃っていると考えています。

1つが、前線上の低気圧。低気圧の影響で、雨雲のもととなる暖かく湿った空気が流れ込みやすくなります。

2つ目は、上空かなり高いところを「トラフ=気圧の谷」が通過すること。トラフが通過する時には、空気が上に上に持ち上げられます。上空高いところまで厚みがある発達した雨雲ができやすいと考えてください。

3つ目が、上空の寒気です。上空の寒気が強いほど大気の状態が不安定になりやすいく、今日の時点で上空5500mに-7℃の寒気が流れ込んでいます。これは、2017年に福岡の朝倉市で大きな被害が出た九州北部豪雨の時と同じくらいの寒気となります。

予想雨量「滝のように降る“非常に激しい雨”」

予想雨量は、熊本県内の全域で1時間降水量70ミリの予想です。滝のようにゴーゴーと降る非常に激しい雨です。車の運転は危険です。70ミリの雨が降っている時は、避難は難しいと考えてください。

28日午後6時までの24時間に、熊本県内全域で250ミリの雨が予想されています。線状降水帯が発生した場合は、さらに雨量が増えます。

土砂災害に厳重に警戒してください。低い土地の浸水、河川の増水や氾濫にも警戒が必要です。

集中豪雨は未明から明け方に発生しやすい傾向があります。避難が必要な場所にいる人は明るいうち、動けるうちの早めの行動をお願いします。

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