『パワハラ疑惑』知事 堤防決壊の現場でテレビ映り意識「ヘルメット被らない」と復旧工事ストップか?

■パワハラ疑惑の告発文配布の県幹部は懲戒処分

兵庫県の斎藤知事のパワハラ疑惑などを告発する文書を配った職員が、懲戒処分を受けた問題。疑惑を調査する「百条委員会」に、この職員が出頭することが決まりました。

兵庫県議会で開かれたのは、斎藤元彦知事のパワハラなど7つの疑惑について調べる「百条委員会」の会合です。

ことし3月、県の幹部職員(60)が斎藤知事のパワハラ行為などを告発する文書を配布し、その後、県の人事課は内部調査で『事実無根』と判断。

幹部職員を停職3カ月の懲戒処分としました。

■懲戒処分に対する不服申し立てしない理由を明かす

しかし、一部の県議から「内部調査は信用できない」といった声が上がり、虚偽の証言をした場合に刑事罰に問われることもあるなど、強い調査権を持つ「百条委員会」が設置されたのです。

2回目となった27日の委員会では、幹部職員が処分に対して不服申し立てをしない理由を初めてコメントで明かしました。

■「後輩たちを訴えるのは辛い」 幹部職員は次の「百条委」に証人として出頭

【処分を受けた幹部職員のコメント】
「自分は人事課のOBです。自分の後輩たちが今回の件で深く関わっています。後輩たちを訴えることがどんなにつらいことか、ご理解いただきたいと思います」

幹部職員は、次回の「百条委員会」で証人として出頭することが決まり、委員会は県が非公開とする処分の決定に至る内部調査資料の提出も求めることを決定しました。

さらに27日、百条委員会のメンバーの1人、丸尾牧県議は、独自で行った職員に対するアンケート結果を公表し、新たに疑惑を指摘。

■堤防決壊の現場視察 ヘルメット被らず

1つには去年5月、斎藤知事が伊丹市で堤防が決壊した現場を視察した際、テレビ映りを気にしてヘルメットを被りたくないと職員に伝え、復旧工事を止めさせたことをあげています。

実際に撮影された映像からは、知事がヘルメットを被っていなかったことは確認できます。

■アンケートには「三面鏡が用意されていない」と職員に激怒といった回答も

丸尾議員は、アンケート結果の事実確認はできていないとしたうえで、「(アンケート結果は)実際の問題点を伝えることができる有効なツールだと思うので」と述べました。

この他にもアンケートには、訪問先で「三面鏡が用意されていない」と職員に激怒したなどと回答があったということです。

「百条委員会」では、これらの結果も踏まえて来月から本格的な調査を始め、年内には報告書を取りまとめる方針です。

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