まもなく新紙幣発行 鹿児島市電、市バスは対応済み 一方で追いつかない業者も

7月3日の、新しい1万円札、5000円札、1000円札の発行まであと1週間を切りました。実に20年ぶりとなる新紙幣の発行ですが、自動販売機などでは新たな対応も必要になります。県内での対応状況を取材しました。

美川愛実アナウンサー
「こちらの運賃箱は新紙幣に対応したものに変わりました」

市電や市バスを運行する鹿児島市交通局では運賃箱での両替やICカードへの積み増しに新紙幣への対応が必要でした。

交通局によりますと、3月中に全ての市電55両分、110機の運賃箱について、機械内部のセンサーを改修。これまでと見た目は変わりませんが、両替やICカードへの積み増しも新紙幣での支払いが可能になりました。

また、市営バスの運賃箱や、市役所など市内9カ所に設けられた自動積み増し機の改修も完了したということです。

鹿児島市交通局 電車事業課・末吉健治課長
「これまでと変わらず、安心してご利用いただけたらと思っている」

このように準備万端のところもあれば、戸惑いの声も。

鹿児島市荒田の飲食店です。店では看板メニューのまぜそばをはじめとした、全てのメニューについて券売機で購入してから注文する仕組みです。

こちらでは店のオープンと同じタイミングの1年半前に券売機を購入しましたが…

「薩摩鶏マゼソバ」を営む麦酒本舗代表・小林康一さん
「新札が出て『使えないから帰ろう』となると困るので早く対応してほしい。うちの場合は(改修に)60万円かかると言われて、すごく痛いですよね」

新紙幣対応のための改修にかかる費用は60万円。もちろん全て店の負担です。

こちらの店では現在の券売機を新紙幣だけでなく、新たにQRコード決済にも対応したものに改修する予定ですが全国各地で注文が集中しているためか、まだ業者から設置日についての連絡はないということです。

レジでの支払いでは人手が足りず、券売機なしでは店が回りません。

「薩摩鶏マゼソバ」を営む麦酒本舗代表・小林康一さん
「少しでも助成があればいいが今のところ自腹。知り合いの店では商売自体をやめた人もいるし、券売機をやめたという話も聞いた」

いよいよあと1週間を切った新紙幣の発行。しかし、その変化にまだ追いつけていないところがあるのも現状のようです。

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