「マジック:ザ・ギャザリング」新機軸のブースター・ファン「ジャパン・ショーケース」が9月発売の新セット「ダスクモーン:戦慄の館」より登場!

ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは、トレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」について、9月27日に発売予定の新セット「ダスクモーン:戦慄の館」より提供する新たなブースター・ファン「ジャパン・ショーケース」を先行公開した。

以下、発表情報をもとに掲載しています

■「ジャパン・ショーケース」とは

9月27日発売の「ダスクモーン:戦慄の館」よりマジックのセットに導入される新たなブースター・ファンの名称です。その名が示す通り、日本が世界に誇るアーティストやイラストレーターの方々によって、世界観との親和性を今まで以上に色濃く反映したカードアートを皆さまにご提供します。

カードフレームにはジャパン・ショーケース用に独自のものを採用。アートを美しく魅せるフレームレスでありながら、テキストの視認性を担保した新たなデザインです。アート制作には、マジックのパートナーでもあるデザインプロダクション・工画堂と連携しています。

今回は、「ダスクモーン:戦慄の館」に収録されるジャパン・ショーケース版カード2枚、アート4枚を先行して公開します。

またジャパン・ショーケース限定のフォイル仕様もご用意。「フラクチャー・フォイル/ Fracture Foil」と呼ばれる、断片たちが美しく乱反射する特別なフォイル加工を施しています。

「ジャパン・ショーケース」は、ボーダーレス版の通常フォイルと「フラクチャー・フォイル」の2種類ともにコレクター・ブースターのみから入手可能です。

日本語版のコレクター・ブースターからは、日本語版の通常版フォイル仕様とフラクチャー・フォイル仕様の「ジャパン・ショーケース」が、その他の言語版からは英語版が67%の確率で、また日本語版が33%の確率で入手可能です。また、「ダスクモーン:戦慄の館」の「ジャパン・ショーケース」アートは、MTGアリーナでも使えるようになります。

「ダスクモーン:戦慄の館」と同様、今後のセットでも通常版フォイルとフラクチャー・フォイルの「ジャパン・ショーケース」カードを10種ずつご用意する予定です。

「ダスクモーン:戦慄の館」の先行公開情報
https://mtg-jp.com/reading/publicity/0037926/

■「ダスクモーン:戦慄の館」製品概要

発売日(日本国内):2024年9月27日(金)
プレリリース:2024年9月20日(金)~26日(木)
ファーストルック:2024年6月28日(金)

■特別インタビュー

カードアートを手掛けたアオガチョウ先生、TAPI岡先生に作品にかける思いなどを伺いました。

アオガチョウ先生 特別インタビュー 制作カード:《ホーントウッドの大主》

――描く上でのポイントは?

最初に見たときには、足がいっぱい生えていて不気味な印象を受けました。元のデザインに対するリスペクトを持ちつつ、違う印象も与えられたらと思い、今回は手を手前に出すようなイメージで奥行きを出して描きました。

これまで、仕事でカード画を書く際はデジタルで描いていたのですが、念願のアナログに挑戦しました。マジック同様に、今回の絵も長く愛してもらえるようにと思いを込めました。アナログは修正が難しいので、マジックの絵を何度か描かせていただいて、ラフの確認後は最後まで書かせていただける信頼関係が築けたからこそ、できたチャレンジでした。

――描く上で、こだわった点、苦労された点は?

光の表現です。デジタルではないので、光らせたい部分は紙の白を生かすために残して描く必要がありました。奥行きを出すために後ろの光をつけることで、少し明るい印象にしました。また背景にドアが開いて光が漏れる印象にしました。顔の表現にもこだわり、《ホーントウッドの大主》を目立させるため、目に少し赤を足し、角の布の模様をよりはっきりさせました。

――製作はどのように進めましたか?

制作には、ラフをデジタルで描いてから水彩紙にトレースし、アクリル絵の具で色を塗るというプロセスを取りました。1日2、3時間集中して作業を進めて1週間ほどで完成させました。ポーズや小さなモンスターの配置などの構想に時間をかけました。背景の緑色から描き始め、顔を早めに仕上げてから作業を進めました。

――見どころを教えてください。

光が漏れているドアの部分です。視覚的にまず顔に目が行き、次に手に、そして後ろのドアや窓に見る人の目が移るように設計しています。この流れで作品を見ていただくと、後ろのドアに誘われるような感覚を体験できるようにしました。

――トレーディングカードのイラストを描くという点で、意識されている点はありますか?

カードは小さいので、視覚的にすぐに理解でき、かつ魅力的に見えるかを意識しています。また、ゲーム内での役割がわかっている場合は、その能力を彷彿とさせるような絵になるよう心掛けたりもします。

――「マジック:ザ・ギャザリング」との出会いは?最初に手掛けたマジックのイラストは?

マジックは、モンスターなどファンタジーの本格的なイラストに触れるきっかけとなった存在です。最初は、絵画やイラスト集を楽しむ感覚で楽しんでいました。実際にプレイすると、スキルや勝負の流れによって、カードのキャラクターの生態・活躍などがさらに想像できます。これはゲームならではの魅力だと思います。

また、カードの世界観を深める要素として重要なフレイバーテキストも好きで、そこから影響を受けて、私がイラストを描くときは一言添えたりすることもあります。

最初に手掛けたのは「ストリクスヘイヴン:魔法学院」のミスティカルアーカイブ・カードで《旋風のごとき否定》の日本画バージョンでした。古典的な日本画のテイストを取り入れてキャラクターを描くことが求められたので、チャレンジングな仕事でした。ただ、大好きなマジックの仕事に携われるということで、喜んで描かせていただいたのを覚えています。

――お気に入りのキャラクターは?

どのカードも魅力的で一つに絞れないほどですが、《ペガサスの隠れ家》が印象に残っています。空を飛んでいる姿ではなく、ペガサスが暗い壁の中に隠れているという絵としての面白さが好きでした。絵からストーリーを感じさせるところが魅力的だと思います。

――「マジック:ザ・ギャザリング」のイラストを手掛ける魅力は?

やはり、絵描きとしての私に多大な影響をくれた世界の一員を描けることが光栄でなりません。SNSなどでプレイヤーの方から「使いやすい」など、カードとして活躍しているのを知れるのもうれしいですね。また、海外からの反響もあるのは、世界的人気のあるマジックならではで、国際的な影響力の大きさを感じさせます。

――最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。

私の描いたイラストが、カードとして皆さんの手に届いて、それが何か特別な感情を動かすことができたらとても素敵なことだと思っています。イラストの感想も勿論励みになりますし、担当したカードをデッキに入れていただいた際、プレイ中にどんな勝負のドラマがあったかなども教えていただけるとうれしいです。

TAPI岡先生 特別インタビュー 制作カード:《永劫の不屈》(Enduring Tenacity)

――描く上でのポイントは?

「光霊」は、「人やモノの思い出が光霊になる」という設定で、命の輝きみたいなテーマが素敵だなと思いました。淡々と「その時」を待っている光の魂みたいなもので、ピカピカした光というよりは、炎みたいに揺らいでいるイメージが浮かびました。

メインの色は、光霊自体が輝いている魂みたいな存在なので、キラキラした感じを出したいと考え、金色を選択しました。蛇を神々しく見せるために、従者として鹿やキツネを周りに描きました。なぜ、キツネかというと私が好きな生き物だからです(笑)。また、背景がボロボロの館のようなところなので、イスなども光の炎にして描いています。

――描く上で、こだわった点、苦労された点は?

光霊は、光の物体なので、光自体を表現するのに苦労しました。ただピカピカ発光しているだけにはしたくなかったので、あえて蛇やその周りを光なのに実態があるかのように描きました。光らせるエフェクトの表現は入れずに、構成しています。

――製作はどのように進めましたか?

トータル2週間ほどで完成しました。最初に構図を構想するのですが、私は最もここに時間をかけています。構図が決まれば4、5時間くらいでラフを描き上げて、塗り込むのに10数時間かかったといった流れです。今回は指示書をいただいた時の参考画像の蛇が正面を向いていて、それがかっこいいなと思ったので、すぐにイメージが出てきました。そこからバックグラウンドや、細かい要素を詰め込んだので比較的早く描き上げられました。

――見どころを教えてください。

見てほしいのは、やはり光の表現で、ウロコ1枚1枚にもこだわって描いています。また蛇のまわりの6種のモノも見ていただきたいです。キツネや鹿は追いかけっこをしています。手前のイスは、蛇のお気に入りのものだったもの、後ろに浮かぶパイは好きな食べ物、というストーリーを妄想で盛り込んでいます。ほかにも魚やコウモリもいます。

――トレーディングカードのイラストを描くという点で、意識されている点はありますか?

カードは、イラストが実物になると小さくなるので、見せたい部分は大きく描くことや、下にテキストが入ることがあるので、なるべく下の方に重要なものは置かないようにしています。また色のコントラストは、前後感をはっきりさせないと、印象が出ないイラストになってしまうので、そういった点に気を付けて制作しています。

――「マジック:ザ・ギャザリング」との出会いは?最初に手掛けたマジックのイラストは?

イラストレーターを目指していた時期に、こんなにすごいイラストがあるのかと思って、ルールも知らないのにパックを買ったのがきっかけでした。私の好きな油絵や絵画のようなイラストが多く、画集も買いました。マジックのイラストは、密度がありつつ、見せたいところははっきりしている美しいイラストが多いので、とても参考になっています。

最初に担当させていただいたイラストは、2021年発売の「神河:輝ける世界」の《大牙勢団の総長、脂牙》です。イラストの仕事を始めて1年ぐらいのころ、オファーをいただきました。マジックのイラストを描くということは、1つの目標だったので「こんなに早く、夢が叶っちゃった」と驚いたのを覚えています。

――お気に入りのキャラクターは?

《のたうつウンパス》や《狩り立てられたウンパス》ですね。名前の響きが好きで、すごい印象に残っています。調べると、獰猛な感じのクリーチャーなのですが、ちょっと面白くて、カワイイ感じの印象があって、とても気に入っています。

――「マジック:ザ・ギャザリング」のイラストを手掛ける魅力は?

マジックは日本ももちろん、世界的に人気のあるカードなので、描いたイラストがいろんな世界の方に届くことやSNSでの反響があることは嬉しいですね。またマジックのサイン会で、私が描いたカードをデッキに入れていて、ボロボロになるほど使っていると言っていただいたのが嬉しかったです。

――最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。

イラストを見ていただけるとすごく嬉しいですし、また自分の描いたイラストのカードを使ってプレイしてくれるととても嬉しいので、ぜひデッキに入れて楽しんでください。


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