「食中毒注意報」出る 梅雨時は『細菌性の食中毒』に注意 予防の3原則「つけない・増やさない・やっつける」

暑くじめじめした梅雨に入り、注意したいのが「食中毒」。27日、大阪市では今シーズン初の「食中毒注意報」が出された。

■今シーズン初「食中毒注意報」が発令 去年、食中毒発生件数が多かったのは6月

梅雨入りし、気温・湿度ともに上昇するこれからの時期に気を付けたいのが食中毒だ。

街の人:お弁当は気を付けて。保冷剤入れたり。

街の人:作り置きとかスーパーで買った総菜とか、一人暮らしなので、もったいないと思うので、極力食べるんですけど、暖かくなるとまずいかなって。

27日、大阪市では食中毒が発生しやすい条件の日だとして、今シーズン初めて「食中毒注意報」を発令し、注意を呼びかけている。

■去年、細菌が原因の食中毒の発生件数が最も多かったのが6月

実は去年、細菌が原因の食中毒の発生件数が最も多かったのが6月。

今年も6月に、長野市にある高等専門学校の寮で、125人に腹痛や下痢の症状がみられた。便からはウェルシュ菌が検出されたということだ。

この時期に細菌性の食中毒が増える原因について専門家は…
帝塚山学院大学食環境学部 西川禎一教授:5月ぐらいの気温で十分(食中毒は)増えてくる。『まだ真夏じゃない、暑くない』と油断しているので、そこが落とし穴になると思う。

■できたての料理をテイクアウトできるキッチンカーでも食中毒対策

関西学院大学・西宮キャンパスでは、キッチンカーが昼休みに向け忙しく準備を進めていた。できたての料理を気軽にテイクアウトできるので、学生たちに大人気。ロコモコなどハワイアンメニューを中心に提供するお店だ。

キッチンカー「LOCO Kii」北林翼オーナー:こちらがデミグラスソース、鉄板に火を付けて、ずっと保温してる状態です。(車内は)いまが33度ですね、高くなったら50度とかいくんで。サウナくらいですかね。

屋外の気温の影響を受けやすいキッチンカー。食中毒対策には特段の注意を払っているという。

キッチンカー「LOCO Kii」北林翼オーナー:食中毒も考えて(添え物は)酢漬けにしました。ごはんは来てから炊く。家で炊いて、保温の時間が長いと、水が菌を生んでしまうので、できるだけ短い時間にしたい。

お客さんに“気軽”に利用してもらうキッチンカーだからこそ、“高い意識”で提供している。

キッチンカー「LOCO Kii」北林翼オーナー:(店舗型の)飲食店の時より神経使ってる。
妻・タイナさん:おいしいものを、おいしいまま食べてもらいたい。
キッチンカー「LOCO Kii」北林翼オーナー:安全にね。

■「食中毒が起こりやすい気象状況が当分は続く」と片平気象予報士

さらに、ことしならではの食中毒への対策が必要だと、気象予報士の片平敦さんは指摘する。

気象予報士 片平敦さん:この先7、8、9月にかけても、気温が平年よりも高い予想になっています。また雨の量も平年並み、または平年より多い、雨の降る日が多ければ湿気も多くなる。食中毒が起こりやすい気象状況が、当分は続くと考えています。

■食中毒予防の3原則 「つけない」「増やさない」「やっつける」

この時期多いのは細菌性の食中毒。カンピロバクター、ウェルシュ菌、O-157など、鶏や牛、豚などの腸内に棲息する菌が原因で発生するケースが多くみられる。

帝塚山学院大学食環境学部の西川禎一教授によると、次のような対策が必要だ。

食中毒予防の3原則。特に細菌性食中毒については2と3が大事だという。

1.つけない:手調理器具は清潔に保つ。

2.菌を増やさない:食材の温度管理。すぐに冷蔵庫に入れて保存する。調理をしない場合は冷凍という手もある。

3.やっつける:中までしっかりと火を通して加熱する。 菌は70度で1分加熱すると死ぬそうだが、菌が残した毒素は100度で加熱してもなくならないケースもある。

だから、2の菌を増やさない、毒素を増やさないということが大事だという。

最悪の場合、命に関わるような症状になる恐れもある。それぞれのご家庭で対策を講じていただきたい。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年6月27日放送)

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