「大事な時期を奪われた」冤罪で13年身柄拘束された元看護助手の女性 県の代理人は「あなたの自白がきっかけでは」と女性に質問する場面も

滋賀県の病院で、入院患者が死亡したことをめぐる冤罪事件。無罪が確定した女性が、捜査機関の責任を追及する民事裁判で、27日、女性への証人尋問が行われた。

滋賀県の湖東記念病院の看護助手だった西山美香さん(44)は、入院患者を殺害したとして服役したが、再審(やり直しの裁判)で事件の存在そのものが否定され、無罪が確定した。

その後、西山さんは捜査機関の責任を追及する民事裁判を起こし、27日の裁判では、西山さんへの尋問が行われた。

■捜査機関の責任を追及する民事裁判 西山さん「大事な時期を奪われた」

この中で、西山さんは逮捕以降、13年に及んだ身柄拘束について「恋愛も、結婚も、出産もできなくて、女性として大事な時期を奪われた」と証言した。

一方、滋賀県の代理人からは「逮捕されて以降、現在の状況にまで至っているのは、あなたの自白がきっかけではないか」と、責任が西山さんにあるかのような質問をする場面もあった。

■「許してはならない。この尋問が滋賀県警の本音」と西山さん代理人

西山さんの代理人 鴨志田祐美弁護士:あれ(滋賀県側の質問)を、許してはならないと本当に思う。この尋問が滋賀県警の本音、態度の表れ。

裁判で当初、「被害者を心肺停止に陥らせたのは西山さんだ」と、無罪判決を否定する主張をしていた滋賀県警。

冤罪を起こした事実を省みる姿勢は、本当にあるのだろうか。

(関西テレビ「newsランナー」2024年6月27日放送)

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