ビースティ・ボーイズの名MVの舞台裏を探訪する新映像公開

名作ミュージック・ビデオの舞台裏を探訪する映像シリーズ“Vevo Footnotes”で、新たにビースティ・ボーイズ(Beastie Boys)の名作ビデオをフィーチャーした「The Making of ‘Sabotage’」が公開された。

ビースティ・ボーイズが1994年にリリースした4作目のアルバム『Ill Communication』からの最初のミュージック・ビデオとして制作された「Sabotage」は、スパイク・ジョーンズが監督を務め、マイケル・”マイクD”・ダイアモンド、アダム・”アドロック”・ホロヴィッツ、アダム・”MCA”・ヤウクという3人のメンバーが、「HAWAII FIVE-0」、「S.W.A.T.」、「スタスキー&ハッチ」といった1970年代のクラシックな刑事ドラマにオマージュを捧げている。

<YouTube: Beastie Boys - The Making of 'Sabotage' (Vevo Footnotes)>

このエピソードでは、アドロックがかねてからグループに張り込み中の潜入捜査官の格好をさせたいと望んでいたことが強調されており、スパイク・ジョーンズがカツラと付けヒゲ姿で撮影現場に現れたことから、このコンセプトが現実のものとなったという。

スパイク・ジョーンズは「Sabotage」について、高校時代に「変なメガネ、偽の口ひげを付け、小麦粉を偽のコカインに見せかけて」撮影したビデオを思い出したと振り返っている。実際「Sabotage」は低予算で制作され、ビースティ・ボーイズとクルーは無許可でロサンゼルス周辺で撮影を行った。

さらに今回公開されたエピソードでは、「Sabotage」が、プロデューサーが自分たちのアルバムの完成を妨害するという架空の曲を作ることをアダムが思いついたことから誕生したことも明らかにされている。「Sabotage」は、ビースティ・ボーイズが全米1位に返り咲いたアルバム『Ill Communication』に追加された最後の曲で、制作段階ではサビ部分にクイーン・ラティファの声がサンプリングされたヴァージョンも存在していたという。

ビースティ・ボーイズは、マルチ・プラチナム・アルバム『Ill Communication』の30周年を記念して、デラックス盤3LPとカセットテープを7月26日に同時リリースする。同アルバムのLPは長らく廃盤となっており、今回発売されるデラックス・エディションには、レンチキュラー(立体印刷)ジャケットと12曲のボーナス・トラック(1992年の『Check Your Head』に収録された「the Maestro」のライヴ・ヴァージョン、「Mullet Head」、リミックス、B面曲、レア曲などを含む)が収録された3枚目のLPが付属する。『Ill Communication』がカセットテープで発売されるのは数十年ぶりとなる。

Written By Sam Armstrong

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