『ジョンソン』『オドハラ』以外も「続々終わる」 チョコプラも嘆くTV「芸人暗黒時代」突入の4つの理由

長田庄平、松尾駿(チョコレートプラネット)※画像はチョコレートプラネットの公式X『@chocopla_mg』より

かまいたち、モグライダー、見取り図、ニューヨークがレギュラー出演する『ジョンソン』(TBS系)、オードリーとハライチがレギュラー出演する『オドオド×ハラハラ』(フジテレビ系)が9月をもって終了すると報じられたが、今秋の改編期にはこの2番組以外にも芸人が出演するバラエティ番組が打ち切られるという――。

「霜降り明星の冠番組『霜降りバラエティX』(テレビ朝日系)はすでに6月をもって終了することが発表されていますよね。

他にもヒロミさん(59)と南海キャンディーズ・山里亮太さん(47)がMCを務める『東大王』(TBS系)、劇団ひとりさん(47)がMC務める『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』(日本テレビ系)も9月をもって終了するといいます。それに止まらず、ほかにも今、大人気の芸人のレギュラー番組も終了すると聞こえてきていますよ」(民放キー局関係者)

テレビ局側は『ジョンソン』と『オドハラ』が終了することをまだ正式に発表していないものの、チョコレートプラネットの長田庄平(44)は6月27日までに更新したYouTubeチャンネルで「終わっちゃうね、『ジョンソン』。『オドハラ』も終わっちゃうでしょ。難しいよなぁ、テレビって。むっちゃムズいよな。無理ゲーですよ」と嘆いていた。

さらに「『カギ』とか『神業』残ってるの、マジ奇跡だわ」と、自身がレギュラー出演する『新しいカギ』(フジテレビ系)と『THE神業チャレンジ』(TBS系)が継続していることを「奇跡」だと話した。

相方の松尾駿(41)も「『カギ』だって“危ない”って書かれてたじゃん?」とし、「ああいうのって俺らには説明ないじゃん。だけどネットニュースで見て“もう打ち切りか?”みたいな。聞くわけにもいかないしさ……」と漏らしていた。

現在、バラエティ番組が次々と打ち切られているのは、もちろん視聴率が取れないということも大きいが、それ以外にも複数の理由があるという。

「まず昨今のテレビ界の事情として、ドラマに比べてバラエティ番組にはCMが入らない傾向にあるんです。バラエティ番組でそこそこの人気企画が生まれ、視聴率がまずまず取れても、ドラマのほうに良い広告が入るんですよね。

また、TVerなどの配信サービスもバラエティ番組以上にドラマのほうが回りますし、そこで話題になるというのもありますね」(前同)

2023年10~12月期のTVerの再生数ランキングの上位10番組を見てみても、第7位に『水曜日のダウンタウン」(TBS系)入っているだけで、それ以外はすべてドラマが占めている。

「つまり、面白くて視聴率がそこそこ取れても、CMが入らず予算を確保できずに終わっていくバラエティ番組も少なくないんです」(同)

■「テレビに出たくない芸人」が急増中のワケ

芸人が出演するバラエティ番組はコンプライアンスを意識するあまり、がんじがらめになって思い切った企画、制作陣、芸人が本当にやりたい企画ができないというのも大きいようだ。

5月12日放送の『ナスD大冒険TV』(テレビ朝日系)に出演したバイきんぐ・小峠英二(48)は、最近のテレビ番組について「“女性芸人”とか“女性”って言わなくちゃいけない風潮が嫌でさ。“女”っていうのは冗談交えて言ってるけど、女性芸人って女芸人でよくない? ちょっと過剰過ぎないか?」と疑問を呈していた。

「各局にコンプラ担当がいて、企画内容にチェックが入るんです。そのチェックを通過できず、企画が流れてしまうことも多々あります。

1月29日の『ジョンソン』は午後11時56分からの放送となりましたが、その内容はレギュラー陣が体を張って新たな罰ゲームを検証するという『罰ゲームアップデート委員会』というものでした。これもやはりゴールデンやプライム帯では過激すぎる、という理由で、深夜の放送になったといいますよ」(前出の民放キー局関係者)

テレビ局側ではなく、芸人側の意向でバラエティ番組が制作しづらくなっているという事情もあるようだ。

「“テレビに出なくてもいい”と本気で考える芸人が増えてきているんです。特にまだ20代の若手芸人は“テレビが絶対ではない”という価値観になりつつある。最大の理由はテレビのギャラが安いからです。キー局のそれなりに名のある番組で、かなり知名度がある芸人だとしても1日中拘束されて、ロケもスタジオもやって2~3万円程度しかもらえないなんてこともよくあります。

現在、バラエティ番組はキー局のゴールデン・プライム帯の番組であっても、かつての深夜番組のような予算で制作されているんです。若手芸人に二桁万円出せる番組なんてないでしょうね。

そして芸人は今、劇場やライブで悪くないギャラをもらっていますし、さらにそのライブを配信もするとなったらギャラのケタは変わってきます。個々のYouTube発信もありますしね。テレビはもはや、名前を知ってもらう、健在であることをアピールするだけの場になってきているんです。

“テレビにはビッグマネーは落ちていない。だから出たくない”ということですよね。昔なら考えられないことですが、テレビ番組の出演オファーを断る若手芸人も少なくありません。結果、旬の芸人がキャスティングできないから、話題の番組が作れない。

CMが入らず、配信でも回らない。コンプラに縛られてやりたいこともできず、有望な若手は出演を拒否する――今、芸人が中心のバラエティ番組は最悪の悪循環に陥りつつあります……」(前同)

テレビ界は「芸人暗黒時代」に突入したのかもしれない――。

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