手取り13万、11時間勤務の女性「帰宅後、家に入れず車の中で寝落ちてしまうことも」

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転職は売り手市場と言われるが、激務の職場にいると、転職しようにも時間も気力も奪われてしまうものだ。宮崎県の40代前半の女性(サービス・販売・外食/年収200万円)は、書店で正社員として働いているが、

「手取り給料は月に13万ほど、ボーナスも昨年冬からカットされ、辞めたいけど貯金もないので辞められないです」

と苦しさを打ち明けた。最低賃金である上に、長時間勤務が常態化している職場なのだという。(文:天音琴葉)

パートの稼働を週1日4時間に減らして人件費削減するも……

その書店には正社員3人のほかにパートが2人いるが、人件費削減のため「2人体制」で回している。そのため、女性の勤務時間は10時から21時まで、休憩は昼と夕方に合計2時間という決まりも、実際は合計1時間とれればいいほうなのだとか。

「2人体制なので、1人休憩に行くと1人しかいない状態。でも、プレゼント包装や取り寄せ注文や外線電話などあるので1人での対応は無理なため、休憩時間でも働くことに」

書店員は立ったまま仕事をすることが多い。実働が10時間ほどにもなる女性は、それだけ立っているということだ。また、新刊を並べたり返本したりと書店員は体力が必要なだけに、きっちり休憩を取らないとつらいだろう。

さらに女性は、通勤に往復2時間かかっているといい、朝起きてからの仕度時間も含めると「仕事の日は14時間稼働しています」と続けた。

「キツい時は帰宅後、家に入れず車の中で寝落ちてしまうこともあります」

と、すでに体力の限界に達しているようだ。

休みの日数は「年間104日」で、平均すると月8日ほどだ。もっと休みたくても2人体制では無理なのだろう。以前は3人体制だったそうだが、パートの稼働を週3、4日から1日4時間に減らしたことで「人件費は以前より月130時間超は削減されてます」と明かした。そうでもしないと経営できない状態なのだろう。そのしわ寄せが正社員に来ているようだ。

しかし先述したように女性は辞めたくても、貯金がなくて辞められない状態だという。自己都合退職の場合、失業保険がすぐに給付されないため、少なくとも数か月分の生活費は必要になる。お金を貯めつつ、どうか心身を壊さないようにしてほしい。

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