【北九州記念】西村淳也騎手は人気問わず買い 東大HCが小倉芝1200mをデータで検証

ⒸSPAIA

コース紹介

今週末は小倉芝1200mコースでGⅢ北九州記念が開催される。開幕週の小倉で行われるサマースプリントシリーズ第2戦。連覇がかかるジャスパークローネや葵Sからの重賞連勝を狙うピューロマジックなど、粒揃いのメンバーとなった。

当該舞台の重賞はGⅢの北九州記念と小倉2歳Sの2レース(※今年の小倉2歳Sは中京芝1200mで開催)。今回は、この小倉芝1200mについてデータ分析を行っていく(使用するデータは2019年7月27日~2024年3月3日の過去5年分)。

まずはコース紹介。向正面の2コーナーポケットからスタートし、スタートから200mほどは下り坂となっている。3コーナーまでは約480mの直線が続いており、3〜4コーナーはスパイラルカーブかつ下り坂。最終直線は平坦で長さは293mとなっている。

とにかく逃げ先行馬

<小倉芝1200m・過去5年の枠別成績>
1枠【40-31-42-539】勝率6.1%/連対率10.9%/複勝率17.3%/単回率109%/複回率75%
2枠【40-40-36-555】勝率6.0%/連対率11.9%/複勝率17.3%/単回率64%/複回率71%
3枠【29-41-60-567】勝率4.2%/連対率10.0%/複勝率18.7%/単回率44%/複回率69%
4枠【38-53-35-595】勝率5.3%/連対率12.6%/複勝率17.5%/単回率50%/複回率68%
5枠【47-48-53-590】勝率6.4%/連対率12.9%/複勝率20.1%/単回率79%/複回率76%
6枠【42-55-53-608】勝率5.5%/連対率12.8%/複勝率19.8%/単回率64%/複回率90%
7枠【89-76-55-745】勝率9.2%/連対率17.1%/複勝率22.8%/単回率103%/複回率97%
8枠【76-58-66-802】勝率7.6%/連対率13.4%/複勝率20.0%/単回率87%/複回率83%

枠別成績を見ていくと、全体的に外枠有利の傾向。少しのロスが致命的となるスプリント戦では、包まれるリスクの小さい外枠はプラスのようだ。一方、内枠で唯一単回収率がプラスなのが1枠。1枠×逃げ馬は【11-8-5-31】勝率20.0%、単回収率172%と優秀だ。

過去5年の重賞に限定すると中枠の成績が落ち、内枠と外枠の成績が良くなる。特に注目したいのが、1、3、8枠。1枠は【2-0-2-14】単回収率953%(22年北九州記念で16番人気ボンボヤージが勝利)、3枠は【2-2-1-14】同122%、8枠【4-2-3-21】同177%といずれも妙味がある。

<小倉芝1200m・過去5年の脚質別成績>
逃げ【85-63-30-223】勝率21.2%/連対率36.9%/複勝率44.4%/単回率185%/複回率165%
先行【179-174-151-1001】勝率11.9%/連対率23.5%/複勝率33.5%/単回率100%/複回率114%
差し【101-138-178-2093】勝率4.0%/連対率9.5%/複勝率16.6%/単回率61%/複回率78%
追込【35-27-40-1677】勝率2.0%/連対率3.5%/複勝率5.7%/単回率47%/複回率35%

次に脚質別成績について。小倉芝1200mはスタートから下り坂が続き、先行する負荷が低いコース。最後の直線が比較的短いことも相まって、逃げ、先行が優勢だ。基本的には前に行ける馬を狙っていこう。

過去5年の重賞に限定すると、逃げ【3-1-1-7】単回率302%、先行【3-3-3-41】同42%、差し【3-7-3-50】同333%、追込【3-1-5-43】同40%という成績。逃げや差しの妙味がアップした分、先行馬の妙味が落ちる結果となった。取り扱いに悩む差し追込勢について詳しく見ていくと、複勝率では外枠がやや優勢。特に8枠は【3-1-3-16】複勝率30.4%、複回収率124%と安定しており、後方待機組を狙う場合はスムーズに外へ出せる外枠を高く評価すべきだ。

迷ったらロードカナロア産駒、オールラウンダーの西村淳也騎手

<小倉芝1200m・過去5年の産駒別成績>
ロードカナロア【45-34-23-312】勝率10.9%/連対率19.1%/複勝率24.6%/単回率113%/複回率74%
ダイワメジャー【30-19-21-183】勝率11.9%/連対率19.4%/複勝率27.7%/単回率150%/複回率95%
ビッグアーサー【12-10-9-87】勝率10.2%/連対率18.6%/複勝率26.3%/単回率86%/複回率68%

産駒別成績では、ロードカナロア産駒が2位に15勝差をつけて独走。単勝をベタ買いするだけでプラスになる。重賞では【3-1-2-19】で単回収率は758%。3勝はいずれも5番人気以下での勝利で、人気薄でも押さえておく価値はある。

2位は30勝でダイワメジャー。こちらも単回収率は150%と妙味十分。特に前走から距離短縮をしてきた馬が狙い目だ。【9-3-2-36】で勝率18.0%、単回収率253%、複回収率123%を記録している。

3位はニューカマーのビッグアーサー。良馬場より馬場が渋った方が好成績なのが特徴だ。良馬場では【5-6-5-52】で勝率7.4%、単回収率50%なのに対して、稍重以下では【7-4-4-35】で勝率14.0%、単回収率137%と上昇する。

今週末の北九州記念では、グランテストやナナオがロードカナロア産駒、カンチェンジュンガがビッグアーサー産駒に該当する。

<小倉芝1200m・過去5年の騎手別成績>
西村淳也【27-7-17-157】勝率13.0%/連対率16.3%/複勝率24.5%/単回率150%/複回率101%
松山弘平【24-15-14-98】勝率15.9%/連対率25.8%/複勝率35.1%/単回率84%/複回率76%
松若風馬【20-7-8-134】勝率11.8%/連対率16.0%/複勝率20.7%/単回率150%/複回率75%

最後に騎手別成績について見ていく。トップは西村淳也騎手。逃げ、先行、追込で単回収率100%を超えており、オールラウンダーっぷりを発揮している。人気馬できっちり結果を残す一方、5番人気以下の人気薄でも【12-4-11-103】で勝率9.2%、単回収率は182%あり、見かけたら買い目に入れて損はない。

2位は松山弘平騎手。逃げ【8-2-1-6】勝率47.1%、単回収率214%と、逃げた際の信頼度が非常に高い。ただ、前走逃げた馬では【1-0-1-9】複勝率18.2%、複回収率26%と苦戦している点に注意だ。狙い目は前走先行した馬で【7-6-4-25】複勝率40.5%と、安定感がある。

3位は松若風馬騎手。1~3番人気では【7-5-2-23】で単回収率60%なのに対し、4番人気以下では【13-2-6-111】で単回収率175%と大きくプラス。人気薄で積極的に狙っていきたい。

今週末の北九州記念では西村騎手がバースクライ、松山騎手がピューロマジック、松若騎手がペアポルックスに騎乗予定だ。ほか、ジャスパークローネに騎乗予定の団野大成騎手は【4-10-8-79】で勝率4.0%、ナナオに騎乗予定の和田竜二騎手は【6-14-9-109】で同4.3%、サーマルウインドに騎乗予定の川田将雅騎手は【16-8-4-24】で同30.8%となっている。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



© 株式会社グラッドキューブ