Number_i、KREVAとのコラボから怒涛の出演続く 夏の音楽特番前に振り返るTVに残した大きな爪痕

夏の大型音楽番組が多く放送される7月。Number_iが、来週7月3日放送の『2024FNS歌謡祭 夏』(フジテレビ系/以下、『FNS歌謡祭』)に出演する。それ以降も、7月6日放送の『THE MUSIC DAY 2024』(日本テレビ系)、7月13日放送の『音楽の日2024』(TBS系)に出演が決定している。夏の大型音楽番組が放送される前に、彼らのこれまでの音楽番組出演について今一度振り返ってみたい。

Number_iが初めてテレビに出演したのは、3月2日に放送された『Venue101』(NHK総合)だった。『Venue101』は、Number_i結成前、平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太が最後に出演した音楽番組でもある。この日の生放送で、3人は“Number_i”として大きなスタートを切ったのだ。

それから1カ月も経たないうちに、Number_iは3月30日放送の『with MUSIC 春の2時間SP』(日本テレビ系)にて民放初歌唱を果たした。この日は、『Venue101』と同じくデビュー曲の「GOAT」を生パフォーマンス。番組内では「GOAT」について、筋力(岸曰く“GOAT筋”)が必要な緩急のある動き、個性を出すためにあえて3人の振りを揃えないパートなど、ダンスのポイントも明かしてくれた。

のちに出演した音楽番組でも何度か「GOAT」を披露しているが、日を追うごとにパフォーマンスが進化していったように思う。動きがどんどん洗練されていくという意味もあれば、4月10日放送の『週刊ナイナイミュージック 拡大号』(フジテレビ系)ではワンカット、6月1日放送の2度目の出演となった『with MUSIC』ではハンドマイクかつ煽りを含めたライブ感のあるパフォーマンスなど、魅せ方の幅が広がっていったのだ。

4月1日放送の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)でも、ゴルフカートをスタジオに持ち込み、MVとリンクしたパフォーマンスで楽しませてくれた。さらに、トークパートではこの日の番組テーマである“Power Songフェス”にちなんで自身のパワーソングも紹介。平野は、上京する時に聴いていたという湘南乃風の「ガチ桜」を挙げていたものの、アンケート用紙には“東京に上る時に”と書いていたようで、まわりからツッコまれるという微笑ましい一幕も。

『CDTVライブ!ライブ!』では、「GOAT」に加えて「Blow Your Cover」をテレビ初パフォーマンスした。打ち合せ時のVTRで、曲について「表情が大事」「うーって感じ」とやや抽象的な表現で説明する神宮寺に、「大人の感じだよね」とフォローする岸、ふたりの発言を受けて「大人のうー……?」と反応する平野……そんなトークパートやVTR内の3人のやり取りに和ませられつつ、ライブパートでの繊細なパフォーマンスとのギャップに惹き込まれる時間だった。

4月12日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演した際には、テレビ初歌唱となった「FUJI」、「GOAT」の2曲を披露した。歌唱前にオンエアされたVTRでグループ結成当時を振り返り、「怖かった」と打ち明けていた3人。「GOAT」のリリースを当初の予定より遅らせてでもこだわり抜いて仕上げたこと、ダンスやMVの制作にも時間をかけると決めたことなどを話す姿から、3人の音楽に懸ける強い気持ちが伝わってきた。

『ミュージックステーション』には、およそ1カ月後の5月17日放送回にも出演。歌唱したのは、ミニアルバム『No.O -ring-』のリード曲である「BON」だった。この時まだ音源は解禁されておらず、文字通りの完全初披露。どんな曲なのか予想しながら番組を視聴し、複雑な楽曲構成やダンスに衝撃を受けた人も多かっただろう。Number_i以外にも、4組のダンス&ボーカルグループが出演していたこの日の『ミュージックステーション』。各グループが個性の際立ったパフォーマンスを見せるなかNumber_iも独自の世界観を貫き、大きな存在感を示していたように思う。

『Venue101』でのテレビ初出演から、多くの音楽番組で爪痕を残してきたNumber_i。そして、直近に迫っているのが『FNS歌謡祭』だ。

『FNS歌謡祭』といえば、アーティスト同士のコラボステージも見どころのひとつ。Number_iも、この日は「BON」の披露のほか、KREVAとのコラボレーションが発表されている。特に、平野は以前から彼のファンであることを公言しており、昨年9月には神宮寺とともにライブを訪れていたことも自身のInstagramストーリーズで明かしていた。彼らにとって憧れの存在であるKREVAと一緒に立つステージが、どのようなものになるのか楽しみだ。

コンサートやフェスとはまた違い、テレビ番組はより多くの人にリアルタイムでパフォーマンスを届けられる大切な場所でもある。『FNS歌謡祭』、さらに『THE MUSIC DAY 2024』『音楽の日2024』と続く音楽番組出演ラッシュ。あらためて、テレビで3人の姿を見られる喜びを嚙みしめながら放送を待ちたい。

(文=かなざわまゆ)

© 株式会社blueprint