勤務実態のない系列園に複数の保育士を二重登録 ライオンの子保育園、配置不足も 補助金を不正受給した疑い

 沖縄県内で7保育園を運営するライオンの子保育園グループ(末広尚希代表)で27日、新たに保育士の二重登録の疑いが浮上した。浦添市の小規模認可保育園「ライオンの子保育園ティモン」に在籍する複数の保育士が勤務実態のない別の系列園で登録されていた。市議会(比嘉克政議長)6月定例会最終本会議の緊急質問で仲本力こども未来部長が明らかにした。

 仲本部長は職員の出勤簿や聞き取り調査から「実態と異なる職員配置の報告が行われていたことを確認した」と述べた。人数などの詳細は「精査中」として明らかにしなかった。田畑翔吾氏らへの答弁。

 同グループでは、他にも保育士の二重登録の事例があり、補助金不正受給の疑いも持たれている。末広代表は27日の本紙の電話取材に対応しなかった。

 浦添市議会は同日、保育士資格証の一元管理を国に求める意見書を全会一致で可決した。認可園や企業主導型保育園など所管の異なる制度が混在する中、二重登録をチェックする体制が整っていないなどと指摘している。

 また、宜野湾市は同日、グループの小規模認可保育園「ライオンの子保育園プンバァ」で、保育士配置基準が6人のところ3人不足していることを明らかにした。市議会全員協議会で報告した。

 不正受給の総額について同市は「調査中」と説明した。調査終了後は返還請求に移行する。同グループに対して市担当者も同席した保護者説明会を開くよう求めているという。

(社会部・新垣玲央、下里潤、中部報道部・砂川孫優)

(資料写真)ライオンの子保育園

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