「全部良かった」 昨年のリベンジに燃える桑木志帆が単独首位発進

予選ラウンドは昨年Vの櫻井心那(左)と同組。まずは去年の借りを返したい(撮影:佐々木啓)

<資生堂 レディスオープン 初日◇27日◇戸塚カントリー倶楽部 西コース(神奈川県)◇6697ヤード・パー72>

昨年は櫻井心那とのプレーオフに敗れ、涙をのんだ桑木志帆がリベンジと言わんばかりの単独首位発進。初日は7バーディでボギーなしの「65」をマークし「全部良かったです」と納得のラウンドとなった。

「今週は天気の影響か例年よりグリーンが遅いので、ピンをデッドに狙うことができて、調子のいいショットが生かせている」と初日を振り返る。さらに「去年と全然違うぐらい飛んでいる。持つ番手が短い分、ピンに絡めている感じです」と飛距離アップも実感。昨年のドライビングディスタンスは44位(239.46ヤード)だったが、今シーズンは17位(248.51ヤード)まで順位を上げている。

2週前の「ニチレイレディス」でも首位発進を決めたが、「ニチレイの時は調子が良くなくてトップだった。よく分からない感じだった」と手ごたえ十分とまではいかなかった。ただ、今回は「すごい調子が良くてしっかりこの位置にいられるのはうれしいです。あと3日ありますが、少し余裕があるかなと思います」と笑みがこぼれる。

今シーズンは開幕戦と第3戦では予選落ちを喫するも、その後は14試合中13試合で決勝へ進出。ツアー全体7位となる7回のトップ10入りを決めている。「(不調の時期は)手元が浮いていたので、逃がしながら打っていた。インパクトの時に手元を低めにしたことで、勝手に飛距離も出て、いい当たりが出てナイスショットが増えました」と分析。「今が一番手応えがあると思います」とショットに自信をのぞかせる。

こうして笑顔でラウンドを振り返った桑木だが、やはり昨年大会の記憶は脳裏に焼き付いている。「18番では(昨年の)プレーオフを思い出した。今日は最後に絶対バーディが取りたい」。そして迎えた18番は、133ヤードのセカンドをピッチングで放つと1メートルにつけてきっちりバーディを奪った。「リベンジしたい」と意気込む雪辱戦。いいイメージを持って2日目に臨むことができる。

ただ、2日目はあいにくの雨で、スタートに遅れも発生している。「初日みたいなゴルフは出来ないと思うんですけど、崩れないことが一番」と難しい展開になると心する。「赤字(アンダー)であがれたらいいなと思います」とリベンジに向けて静かに闘志を燃やした。

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