大分国際車いすマラソン、11月17日に号砲 経費増加踏まえ参加料を引き上げ【大分県】

実行委員会で意見を述べる委員=27日、大分市大津町
フィニッシュ地点となるジェイリーススタジアム=大分市西浜

 大分国際車いすマラソンの実行委員会は27日、大分市大津町の県総合社会福祉会館で会合を開き、第43回大会の開催日を11月17日と決定した。参加料を見直し、国内で開かれる他の大会の状況や、物価上昇による経費の増加を踏まえて引き上げを決めた。事務局は「大会の質を維持するために必要。価格が上がる分はホスピタリティーでお返ししたい」と理解を求めた。

 午前10時からマラソン、ハーフマラソンの順で県庁前をスタートする。ジェイリーススタジアム(市営陸上競技場)トラックの改修工事が完了したため、2年ぶりにフィニッシュ地点を競技場内に戻す。

 事務局によると、参加料はマラソンが1万円(前回まで5千円)で、2015年以来の引き上げとなる。ハーフマラソンは3千円(前回まで千円)とする。

 他の大会の例として▽東京マラソン 1万6500円▽長野車いすマラソン(ハーフ) 5千円―などを挙げ、「設定額は適切」と説明。宿泊費をはじめ選手の支援に充てる考えを示した。

 大会運営費は、物価高に加えて燃油代の高騰や円安もあり、選手の移動や滞在、海外有力選手の招待費用などがかさむ見通しという。前回大会では不足分を県の補正予算で賄った。

 協賛企業・団体は前回、過去最多の51社・団体が集まった。障害者スポーツの認知度の高まりで年々増加しており、「世界最高峰のレースとしてクオリティー、ブランドを維持したい」として今回も広く協力を募る。

 このほか、レース前日に実施する開会式後のパレードを従来より1時間早めて午後2時半からとすることも決めた。選手の拘束時間を短くしてコンディション維持に配慮する。

 大会実行委員長の工藤哲史(のりふみ)県福祉保健部長(59)は「昨年にも増して皆さんに支えていただきながら、県民、選手が一体となって盛り上がれる大会に向かっていきたい」と述べた。

© 有限会社大分合同新聞社