「建築総合展」開幕 最新の建築材や技術 一堂に 71社・団体が多彩な出展

多くの来場者でにぎわう会場

 中部地区唯一の建築総合展示会「第53回建築総合展NAGOYA」と、「第12回マンション管理フェアinあいち」が27日、名古屋市中村区名駅の愛知県産業労働センター(ウインクあいち)で開幕した。建築材や設備機器、関連メーカー、商社など71社・団体が出展。工期短縮や耐震、省エネなどに貢献する建築材や技術などを紹介している。28日まで。

 開会式で愛知建築士会の濱田修会長が「今回のテーマは『ひろがる』。多くの建築士や学生たちの交流が活発になり、新しいネットワークの構築を期待している」とあいさつした。

 環境都市実現のための木造化・木質化推進あいち協議会(名古屋市中区)のブースでは、加盟事業者が木を活用した魅力的な製品を披露。ニチハ(本社名古屋市)は、木材の端材をチップ化して外装材の原料とした「オフセットサイディング」を展示。片桐銘木工業(本社愛西市)はリブ形状で準不燃認定を取得している内装材を提案している。

 発泡樹脂製品を手掛ける金山化成(本社西尾市)は、人手不足への対応策として、従来は断熱建材を固定するために建築現場で取り付けていた金具をあらかじめ装着し、工期短縮を実現する製品をアピールしている。

 接着剤販売などを手掛けるスズイチ(本社浜松市)は制震材「ブレースリーK型」を紹介。7月に制震に関する初の統一基準が公開されるといい、最も優れた「性能区分3」相当の性能であることをPRしている。

 特設ステージでは、東京工芸大学准教授の山村健氏が「アントニ・ガウディにみる、これからのものづくりの姿勢」をテーマに講演。ガウディがあらゆる建築と並行してサグラダ・ファミリアを手掛けていたことを紹介し、「全ての建築の技をサグラダ・ファミリアに生かしていた。誰が見るか分からない所でも気を抜いていない」と語った。

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