野菜、青果卸の多摩勇代が事業停止 異常気象や天候不順で仕入れ価格が高騰 新型コロナで外食産業向けの売り上げ大幅減 負債総額は18億6500万円

野菜、青果卸の多摩勇代が事業停止

 野菜、青果卸の多摩勇代(埼玉県さいたま市桜区、黒川忠是社長)が21日に事業を停止し、債務整理を三沢英嗣弁護士(信和法律事務所、東京都港区)に一任したことが分かった。

 帝国データバンク大宮支店によると、負債総額は約18億6500万円(2023年8月期)。同社は1983年3月設立。キャベツ、トマトなど野菜全般とリンゴ、バナナなど果物類を幅広く取り扱い、外食産業を主体に取引先の要望に応えたカット加工商品を豊富に取り扱っていた。全国に数多くの契約農家を有し、ピッキング装置で特許を取得するなど加工、保管、流通面で独自のビジネスモデルを確立。19年8月期は売上高約32億5900万円を計上していた。

 その後、度重なる異常気象や天候不順で仕入れ価格が高騰。設備投資の借入金返済に加え、新型コロナウイルス感染症の影響で外食産業向けの売上が大幅に減少。20年8月期の売上は約26億3400万円、最終赤字が約7600万円となるなど厳しい経営環境が続いていた。

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