コンビニで熱中症啓発 大画面、買い物客に動画 茨城県、7月2日から

レジ上大画面での熱中症注意喚起のイメージ図(県提供)

熱中症の危険が増加する時期に合わせ、県民に注意喚起を図るため、茨城県は7月2日から、大手コンビニのファミリーマート県内約200店舗で啓発動画を放映する。県として初の取り組みで、大塚製薬や同コンビニとの連携により実施する。レジ上の大型画面で、暑さを避ける工夫や水分・塩分補給などを呼びかける。期間は15日までの2週間。

県によると、放映を予定する店舗は大型画面の「デジタルサイネージ」を設置している県内計203店舗。画面はレジ上にあり、客の視界に入りやすい。

動画は買い物の合間でも見やすい15秒間。外出時の暑さを避ける工夫や小まめな水分・塩分の補給、エアコンの活用といった対策の要点について、文章のほかイラスト、音声を使い分かりやすく伝える。

今回の事業は、以前から包括連携協定を結ぶ両社の協力で実現。両社と自治体の連携による啓発は昨年度、大阪府で行われており、本年度は茨城県を含む30都府県に拡大する見込みだ。

熱中症は全国的に深刻な問題となっている。茨城県では救急搬送された熱中症患者が昨年度2600人で、2080人だった前年に比べ1.3倍。2年前の2021年度に比べると、1.7倍に増加した。毎年死者も発生している。

啓発のほか、県内自治体で炎天下に休憩できる施設「クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)」の設置が進む。26日現在、全44市町村で計441カ所が指定された。

県保健政策課は、より多くの人に注意喚起できる今回の動画放映の効果に期待を寄せ、「熱中症への危機意識を高めてほしい」と話している。

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