松浦鉄道(MR)決算 6期ぶり黒字 コロナ禍後に乗客数増加 長崎

 松浦鉄道(長崎県佐世保市、MR)は27日、定時株主総会を開いた。2024年3月期決算はコロナ禍後の乗客数の増加、国と沿線自治体によるコロナ、燃料高騰対策への持続化支援金などにより、当期純利益は230万円で、6期ぶりの黒字となった。
 売上高に当たる営業収益は前期比7.6%増の7億1800万円。定期と一般を合わせた乗客数は前期比7.2%増の270万7千人。コロナ禍前の2019年度(20年3月期)と比べると、97.6%までに回復した。特に一般が順調に増加し、前期比11%増の112万3千人。19年度比3.3%増と推移した。
 旅客運輸収入は前期比7.4%増の6億2400万円。19年度比95%。
 営業費用は前期比0.9%増の9億3300万円。自然災害の復旧費用、燃料軽油代、人材確保による人件費などが増加した。持続化支援金は4年目で、特別利益として、9700万円を計上した。
 MRは10月から平均19%値上げをする運賃改定を予定。今里晴樹社長は「乗客数はコロナ禍前の水準に近づいているが、燃料高騰、物価上昇など変動要因は大きい。利用者の利便性向上などによって収入増加を図り、地域における鉄道輸送サービスを提供したい」としている。
 また、株主総会では馬場俊二・総務部長兼営業広報部長が新たに取締役に選任された。

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