テレビ朝日、AI利用でスマホ向け「ネイティブ縦型動画」を自動生成する新システムを開発 / Screens

株式会社テレビ朝日(本社:東京都港区)は、AIを利用してテレビサイズの横型動画(16:9)から、ネイティブ縦型動画(9:16=スマホ画面を余白なく使用した動画)を自動作成するシステム「ヨコタテくん ver.2」を開発し、2024年6月より運用を開始したことを発表した。これは、2023年に運用を開始した横型動画を縮小して縦型動画内に配置する「ヨコタテくん」の進化版となる。

若者世代はYouTubeショートやTikTok等の縦型動画サービスを娯楽としてだけでなく、情報収集のツールとして日常的に使いこなしており、本システムは、より没入感が高く、スマホに最適化された動画を手軽に作成することを実現。これにより、テレビとの接触率が低い世代に対しても、テレビ局が制作する信頼性の高いニュースを効率的に届けられるようになったという。

このシステムは非常にシンプルで、スタッフが行うことは横型動画をセットし、実行ボタンを押すだけ。その後はAIが自動的に動画を分析し、ニュースに必要な映像要素やテロップを抽出、ネイティブ縦型動画(9:16)の形に再構成する。ショート動画に多い1分程度の動画であれば、作業に要する時間はおよそ15~20分程度で、これは同じ動画を手動で縦型動画化した場合の半分以下の時間。なお、自動生成された動画を更に細かく編集したい場合や、修正箇所がある場合は、同システム内で手動調整することも可能。高い編集スキルがなくても、すぐに扱うことができ、質・量の両面で安定したコンテンツ供給が可能になる。

尚、このシステムの開発の一部はGoogle News Initiative Innovation Challenge からの資金提供を受けて行われている。
Google News Initiative : https://newsinitiative.withgoogle.com/

■本システムで制作した縦型動画ニュースコンテンツの配信先
・YouTube ANN ニュースチャンネル(ANNnewsCH )
https://www.youtube.com/user/ANNnewsCH
・TikTok テレ朝news【公式】
https://www.tiktok.com/@tv_asahi_news

■機能概要
①16:9 の横型動画から9:16の縦型動画を生成
• シーンの切り替わりを自動判別して動画を分割。
• 横型動画をシーン毎に AIで解析し、人が注目するポイントを中心に切り抜き、9:16の縦型動画を自動で生成。
• 切り抜き箇所は編集者が手動で修正することもできる。その修正情報を機械学習させることで切り抜き位置の精度向上が可能。

②横型動画に表示されているテロップを読み取り、生成した縦型動画に再表示
• 元の横型動画に表示されているテロップ情報をOCR処理によりテキスト情報化し、変換された縦型動画に改めてテロップとして表示する。
• 縦型動画に再表示したテロップは、元のテロップのチェンジタイミングに追従して表示を制御することが可能

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