大分トリニータ 吉田真那斗が加入、勝利の特効薬への期待高まる 【大分県】

けが人が続出し、メンバー選考に支障が出ている大分トリニータ。特にサイドバック(SB)のポジションは人手不足で、他のポジションの選手をコンバートする苦肉の策を強いられていたが、このタイミングでJ1の横浜F・マリノスからDF吉田真那斗が育成型期限付き移籍で加入した。25日の練習から合流し、29日の試合に向けて「持ち味の推進力を生かし、攻守でアグレッシブなプレーをしたい」と出場への意欲を示した。

今季のシーズンが始まった当初から、片野坂知宏監督は手薄なSBの緊急補強が必要になったときのためのリストアップをしていた。その一人が吉田だ。片野坂監督は「ハードワークができ、サイドをアップダウンできる。守備では対人に強く、攻撃ではクロスの精度も高い。存在感を出してくれそうな可能性を感じさせた」と狙いを定めていた。加入が決まり、実際に目の前でプレーを見ると、ポジションの近い選手と積極的にコミュニケーションを図り、チームになじもうとする姿を評価し、「即戦力。(すぐに試合に出る)可能性はある」と太鼓判を押す。

コミュニケーションを図る吉田真那斗

吉田は5月末頃にオファーを受け、熟考すること1カ月。鹿屋体育大学時代に九州へのなじみはあったが、名門クラブを離れる不安もあった。高校、大学の恩師に相談し、かつて大分に在籍した松原健や井上健太らの「大分推し」で後押しされた。「チームの雰囲気やサッカーに集中できる環境があることを知った。片野坂監督のアグレッシブなサッカーにも興味があったし、大分なら成長できると思った」と挑戦することを決断した。

まずは戦術を理解し、周りの選手のプレーの特徴を覚えることから始まる。シーズン途中の移籍で難しさはあるが、片野坂監督は「初めての移籍だが問題はなさそう。僕だけでなくコーチや選手がなじめるようにフォローしている。戦術も大枠は理解しているので問題ない」と期待する。吉田はしっかり守れて、ボールを前に運べる。自分がスペースに飛び出して「使われる」こともでき、サイドで起点になって周りを「使う」こともできる。「このチームで飛躍したい」と語る吉田への期待は高まる、8試合白星から遠ざかっているチームに必要なのは勝利、その特効薬となる可能性を秘めている。

「大分で飛躍したい」と語った

(柚野真也)

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